日本エイサーから発表された「AG3620-H76F/GL」は、同社のゲーミング向けPCブランド「Predator G3」に該当する製品だ。Intel Core i7-3770、16GBメモリなどなど、ハイスペックを内包するミドルタワーのデスクトップPCになる。ゲーミングPCというからには強力なグラフィックスも必要だが、同社が採用したのは「NVIDIA GeForce GTX 660」。このグラフィックスは、単体GPUでは未発売のもので、「GTX 660"無印"」などと呼ばれ、アッパーミドルレンジの製品としてどのような実力があるのか注目されていた。今回は、このグラフィックス性能を中心にレビューしてみたい。
■主なスペック [CPU] Intel Core i7-3770(3.40GHz) [チップセット] Intel B75 Express [メモリ] 16GB(DDR3-1333) [HDD] 1TB(7,200rpm) [グラフィックス] NVIDIA GeForce GTX 660(1.50GB) [OS] Windows 7 Home Premium 64bit版 [店頭価格] 14万円前後
拡張性に優れたミドルタワーPC
まず最初に外観から見ていこう。迫力のある面構えのフロントパネルにある3つの開閉ポートが存在している。これを開閉するとドライブベイが格納されており、下段にHDDトレイ(EasySwap対応)、中段はブランク、上段にBD-R/REドライブが搭載されている。
フロントパネルには他には何もついておらず、ポート類は上部パネルに集中されているのも特長だ。そちらにはUSB 3.0×2、USB 2.0×2のほか、ヘッドフォン出力端子とマイク入力端子が用意されている。机に座った状態で本体を床に置いた場合は、このほうが使い勝手が良く、ゲームの準備のため各ポートにヘッドセットなどを抜き挿しするようなシーンでも快適だ。
内部を見てみると、フロントベイとは別にHDDトレイが用意されており、デフォルトのHDDはこちらに格納されている。チップセットはB75 Expressを採用したATXマザーボードで、4基のメモリスロットには4GBのDDR3(PC-10600)メモリがすべて挿してある状態だ。
CPUのIntel Core i7-3770には空冷ファンが取り付けられており、冷却性能として若干気になる感じはするが、TDP77Wという省エネCPUなので大きな不安は無い。電源ユニット80PLUS BRONZEの500Wが搭載されているいるが、ゲーミングPCには少し物足りないものの、スペック的には十分な容量といえる。
グラフィックスには冒頭でも述べたように「NVIDIA GeForce GTX 660」が搭載されており、空冷ファンが1基、背面への排気ダクトは1スロット分を占有する。背面のポートはDVIが2基、HDMIポートが1基、Display Portが1基用意されている。グラフィックスカードの本体はケースに包まれているが、当然のように装飾やシールなどは貼られていない。ケースの横幅は約244mmと、ミドルクラスのグラフィックスカードとしては妥当なサイズだが、基板を見てみるとずいぶんと短い印象を受ける。グラフィックス自体は3way SLIに対応している感じはあるものの、PCI Express x16スロットに空きは無いので試すことはできない。
ケース内部はすっきりとレイアウトされているので、エアフローはずいぶんと良さそうな印象を受ける。ドライブ類の追加もそれほど苦労せずに済むだろう。購入時のハードウェアにそれほど手を加えず、ドライブ類などを組み合わせていくといった使い方をする限り、かなり使い勝手のよいマシンだといえる。
本体背面には、USB 3.0ポート×2(うち1ポートは電源オフ時USB充電機能付き)、USB 2.0ポート×4、DVI出力ポート×2、HDMI出力ポート×1、DisplayPort×1、LANポートなどを装備 |
次ページ:GTX 660"無印"のスペックは?