後半も小グループに分かれて体験学習が行われた。自由視点映像が体験できるブースでは、計31台のカメラが設置されたスタジオで動画撮影を行い、別撮りされたロックバンドの映像と合成するという技術が紹介された。ちなみにこの技術は「自由視点コンサート」として昨年10月のCEATEC JAPANでデモ展示が行われ、CEATEC AWARD 2011(豊かで夢のある生活・社会部門)の準グランプリに輝いている。

動画の撮影前に説明を受ける子どもたち(写真左)。スタジオの隣室にあるモニターには、複数台のカメラからの視点が確認できるようになっていた

計31台のカメラが設置されたスタジオ(写真左)。合成が完了した映像は、正面や背後、斜めなど好きな視点に切り替えて楽しむことができる

ネットショッピングや音声通話のやりとりを安心・安全に行うために使われている「暗号」を、楽しく学習できるブースも設けられた。KDDIが作った暗号には、解読に約100億年かかると言われているものもあるという。

なぞなぞを交えながら、暗号の世界を分かりやすく解説

KDDI研究所では実際に暗号を作成したり、暗号についての更なる研究も行われているとのことだった。子どもたちには、暗号を解く課題が与えられた。参加した女の子は「要領が分かると面白くなってくる」と素直な感想を述べていた。

円盤の暗号ボードを使って、暗号解読に挑戦する子どもたち

別の部屋では、AR(拡張現実)技術の紹介が行われた。自分の顔写真を貼りつけたキャラクターがスマートフォンの中で自由に踊ったり、PCのインカメラを利用してメガネの試着を行ったりといったAR技術を使ったデモには、子どもたちから歓声があがっていた。

「ARを利用すれば、お家に居てもメガネ屋さんの商品を試着することができるんですよ」と語る説明員(写真右)

外国語を翻訳するARアプリも紹介された。プリントに印刷された英単語にスマートフォンのカメラの照準を合わせると、すぐ上に日本語訳が表示されるというものだった

予定された6つの体験学習コースを全て終えて、ツアーは無事に終了した。閉会の挨拶で登壇したKDDI広報部 部長の福間洋介氏は「短い時間でしたが、夏休みの思い出になれば幸いです。携帯電話を使うときに、今日学んだことを思い出してみてください」と挨拶し、さらに「そのとき使っている携帯電話がauだったら、嬉しいです」と付け足して父兄の笑いを誘った。福間氏によれば、親子体験ツアーは来年以降も開催予定だという。内容の充実した2時間に、子どもたちの表情も満足げだった。

(記事提供: AndroWire編集部)