実験前には、スタッフから「電波は目に見えるものではないので、理解するのは難しいかも知れない」という心配の声が聞かれた。しかし、子どもたちは電波の跳ね返る性質を感覚的に理解できたようだった。

携帯電話と計測器の間に電波吸収体を入れて通信を遮断した後に、脇に反射板を設置。電波が跳ね返るかどうかを実験により確かめた

KDDI研究所のエントランス付近に設置された屋外のブースでは、衛星携帯電話を体験することができた。説明に使われたのはKDDIが提供しているグローバル衛星携帯電話「IsatPhone Pro」(インマルサット製)。世界各地で通話できるモデルで、最大8時間の長時間駆動に対応している。

IsatPhone ProはGPS、音声通話、防水・防塵、留守録サービス、SMS / Eメール、データ通信に対応する。一般の携帯電話に近い感覚で利用できるグローバル衛星携帯電話だ

IsatPhone Proと通常のスマートフォンで通話する様子(写真右)。上空36,000kmに配備されている静止衛星を経由して声が届くため、通話にはほんの僅かなタイムラグが生じる

屋外では災害時のほか、花火大会やコンサートなどの催し物会場にも出動し電波状態の改善に一役買う「au車載型基地局」の紹介も行われた。参加者の男の子は、地上11mまで伸ばすことができるアンテナや、電波をキャッチするために角度を自動調整するパラボラアンテナに興味津々の様子だった。

au車載型基地局を紹介する様子

ツアーはここで休憩時間となり、お菓子と飲み物が振舞われた。会場の後方にはKDDIの歴史を物語る、1988年から現在に至るまでの歴代の携帯電話が展示されており、物珍しげに手にとる親子の姿が見られた。

保護者たちは「懐かしい」「これ使ってた」と興奮気味。そのそばで、子どもたちは「ボクが生まれる前だ」「家の電話みたい」と珍しがっていた

1988年発売の「ハイキャップショルダーフォン」(松下・三菱製)なども展示されていた(写真左)。当時、新規加入料と基本料だけで月額80,000円もしたという