消費電力

テストの最後は消費電力の測定。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMark Vantage GT1~GT2実行時の最大値だ。いつものようにシステム単位の消費電力を測定している。

実行性能は殆どGK104そのまま!! あとは実売価格次第か

GeForce GTX 660 Tiは、ターゲットとなるRadeon HD 7870との比較で、実行性能面での優位性がかなり明確に出た。最大消費電力でやや不利な結果も出ているが、性能とのトレードオフを考えれば十分に許容できる範囲内だ。そうなると、両社は実売価格での勝負ということになるだろう。ともにメーカーの設定価格は299ドルで、そのままだとGTX 660 Tiが完全に優位となるが、実際に店頭に出た際の価格はこれとはまた違ったものになるだろうから、注目しておきたい。

既存上位モデルのKeplerであるGeForce GTX 670との比較では、一般的な3Dベンチマークやゲームタイトルでテストする限りは、ROPやメモリバスの差が、意外とテスト結果に影響している。特に高解像度の負荷の高い環境になるほど、この差が効いてくるという状況であり、同じGK104コアといえども、やはり性能差は存在している。一方で、Fermi世代のハイエンドであるGeForce GTX 580に対してはおおむね上回る性能を発揮しているので、GK104コアベースならではの高水準の性能は確保していると言えよう。

また、GeForce GTX 660 Tiでは、今回試したASUSの「GTX660 TI-DC2T-2GD5」がそうであったように、オーバークロック版の製品が豊富に市場投入されるであろうという期待もある。今回のテストでも、オーバークロック時の性能はGTX 670に匹敵、場合によっては上回るものであり、「GPU自体の位置付けは下位モデルで価格も安いが、性能は高い」といった、逆転現象を起こす製品の登場もあり得るだろう。