あの機能はどうなった?

プログラマやエンジニアからの支持が年々厚くなるOS Xだが、それはユーザ側がその気になればUNIXのサーバ/ワークステーションとして使える点が評価されたからこそ。その伝統はMountain Lionでも踏襲され、各種スクリプト言語や各種サーバソフトがプリインストールされている。

その構成はLionのときと同様で、バージョン差異は表1に示すとおり。各ソフトウェアのバージョンによる機能差は、当該Webページやチェンジログを参照いただくとして、Appleと開発チームが実質一体のCUPS(参考記事)については、他のOS用フィルタが外部プロジェクトへ移管されるなど、直接OS Xでは不利益とならない変更を確認できた。

表1:OS Xに収録されているスクリプト言語/サーバソフトのバージョン

Mountain Lion(v10.8) Lion(v10.7.4)
ruby 1.8.7 p358 1.8.7 p249
perl 5.12.4 5.12.3
python 2.7.2 2.7.1
php 5.3.13 5.3.6
Java オプション オプション
cupsd 1.6 1.5
httpd Apache/2.2.22 Apache/2.2.20
sshd OpenSSH 5.9p1 OpenSSH 5.6p1
X11 - 2.6.3

Lion同様、Javaは初回実行時に自動ダウンロードされるしくみが採用された

これまでUNIX由来のアプリケーションを利用する目的で提供されてきたX Window System(X11)は、Mountain Lionからついにオプション扱いとなった。/ Applications / Utilities(Launchpadでは「その他」と表示される)には引き続きX11.appの姿が見えるが、Appleのサーバからダウンロードを開始するためのトリガーであり、実行すると「X11はもうOS Xに付属していません」というダイアログが表示される。

X11がついにオプション扱いとなり、必要とするユーザのみダウンロードする形となった

消えた機能もある。たとえば、Xgridのサポート終了に伴い、システム環境設定「共有」ペインから「Xgrid共有」が削除された。Terminalコマンド「xgrid」および「xgridctl」についても同様で、この方針はOS X Serverの技術仕様(リンク)が公開された時点から予想されていたところだ。

WebサーバのApacheは引き続き収録されているが、「共有」ペインから「Web共有」という項目は削除されている。こちらの理由は不明だが、AirDropのようなファイル共有機能の強化もあり、一般ユーザが手動でWebサーバを管理するニーズが減ったからだと推測される。なお、以下のようにコマンドラインから起動/停止/再起動させれば、従来どおりhttpdが稼働する。

$ sudo apachectl {start|stop|restart}

Mountain Lionのシステム環境設定「共有」ペイン。Lionのものと比較すると、「Web共有」と「Xgrid共有」が省略されていることがわかる