わずか3言語のCustomer Previewに日本語版が含まれるのは

デモの終了後、再びカン氏が壇上にもどり、「最新のProductivity Tool」であるという次期Officeの機能を概観したあとに同氏が強調したのは、今回のCustomer Preview提供が3言語(英語、スペイン語、日本語)の3言語のみであり、そこに日本語が含まれるのは日本のマーケットのあらわれであるということ。また、日本のユーザーは品質の期待値が高いため、ユーザーからのフィードバックも有益なものが得られると期待しているという。

またブランディングについては、パッケージ販売などの永続的なライセンス形態のものについては「Office (2013)」、サブスクリプションに基づくライセンスについては「Office 365」として提供されるとした。この「Office 365」については、デスクトップアプリの「Office」だけでなく、ExchangeやSharePointも含むものとなる点にあらためて注意を喚起した。

日本で提供される次期Officeプレビュー版のエディションは4つ。まず個人顧客向けの「Office Professional 2013 プレビュー」、続いて10名までの中小企業向けで管理者不要の「Office 365 Small Business Premium プレビュー」。残る2つがエンタープライズ向けで、大規模企業向けの「Office 365 ProPlus プレビュー」と、SharePoint/Exchangeを含む最高レベルの「Office 365 Enterprise プレビュー」となる。いずれもシステム要件は要Windows 7/8で、それ以上の詳細は現時点では非公開。なお米国で提供されている「Office 365 Home Premium プレビュー」は、日本での提供予定はないという。

最後にカン氏は、必要な機能をまずインストールすることにより、Office on Demandを実現するQuick To Runの機能のデモンストレーションとして、未インストールの状態からわずか数分でPowerPointが起動するところまでを実際に行ってみせ、プレゼンテーションは終了となった。

Quick To Run機能を利用してPowerPointが起動するまでを実演。左上の画面でOffice 15のWebページにアクセスしているのが15時10分、右下の画面でPowerPointが起動しているのが15時12分。この間わずか2分だ

「発売時期はプレビューのフィードバック次第」

質疑応答では、Windows 7/8版とWindows RT版で機能の差異があるのかとの質問に対して、「Windows RT版もフル機能」であると同等のものであることを明らかにした。Metroスタイルについては、OneNoteはMetroスタイルでもさまざまな機能を利用できるものの、Word/Excelなどはデスクトップ版のみの提供とのこと。

ソーシャル連携に関して、Facebook/TwitterなどのSNSとの関連付けがあるかとの問いについては、Outlookの「ピープル」(コンタクトに替わるもの)を通じて他のSNSにアクセスできるという。Yammerの統合については、現状で別のビジネスとして展開されているものの、将来的には統合も考えているようだ。なお、現在Windows Liveで提供されているOffice Web Appsは引き続き提供される。またiOS/Android向けOffice製品のリリースについては、現在提供しているOneNote/Lync以外のものについてはとくに話せることはないとの回答だった。

気になる発売時期についての質問もあったが、「発売時期はプレビューのフィードバック次第」とのことで明言はなし。「日本向けには、日本向け製品の準備ができた時点でリリースすることが大事だと考えている」と述べるにとどまった。

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