CPUクーラーにもベイパーチャンバーの時代?

Cooler Masterの「TPC 812」は、ヒートパイプに加え、ベイパーチャンバーも搭載したCPUクーラー。ベイパーチャンバーはVGAクーラーではお馴染みの技術だが、同社によれば、自作PC用のCPUクーラーとしては、搭載は世界初だという。価格は9,000円前後。

Cooler Masterの「TPC 812」。ハイエンドの空冷CPUクーラー

ヒートパイプの内側に見えるのがベイパーチャンバーだ

ベイパーチャンバーは、空洞の内部に冷媒が入っており、それが気化と液化を繰り返し、循環することで、高速に熱を移動させることができるもの。板状のため、従来のヒートパイプに比べ、放熱フィンと接する面積が3倍もあるほか、空気抵抗は1/2でファンのエアフローを妨げないという利点がある。

熱移動の原理。CPU付近で気化して熱を奪い、フィン側で液化して熱を出す

ベイパーチャンバーは板状で薄い。エアフローの妨げにならない

幅は実測で2cmほど。フィンとの接触面積が大きく、放熱に有利

銅製のベースには、最新の接合技術が使われているという

TPC 812には、6本のヒートパイプと、2枚のベイパーチャンバーを搭載。CPUベースでは、ヒートパイプの上にベイパーチャンバーが乗るので、ヒートパイプによる放熱が追いつかなくなってきた高負荷時に特に威力を発揮する構造に見える。

高い冷却性能が期待できるので、まずはオーバークロック向けだろうが、付属12cmファンはワイドレンジ仕様(600rpm~2,400rpm)になっているので、静音向けとしてもいいだろう。ノイズレベルは19~40dBA。付属の静音モードアダプターを使えば、ファン回転数を1,600rpmに固定することもできる。