キヤノンは6月26日、グリーンデバイスやMEMS製造に対応した露光装置「FPA-3030i5+」を発表した。

節電や省エネルギーへの意識が高まり、風力や太陽光などクリーンエネルギーの発電設備、省エネルギー製品や低燃費の自動車など、環境負荷を低減する設備や製品の需要が増加している。

同製品は、これら設備や製品に搭載されるグリーンデバイス(パワー半導体やLEDなど)、スマートフォン(高機能携帯電話)などに使用されるMEMSデバイス向けの装置で、従来の「FPA-3000」シリーズで培った高い解像力、生産性、信頼性を引き継ぎながら、各種デバイス製造に求められる特殊仕様に対応したi線ステッパとなっている。

解像力は350nm以下、重ね合わせ精度は40nm以下、スループットは毎時104枚以上と、同等クラスのi線露光装置において、最高水準の性能を実現している。 これにより、グリーンデバイスやMEMS製造に求められる、様々な線幅や形状の回路パターンを高精度かつ高速で処理できる。さらに、ソフトウエアと電気制御システムを刷新し、次世代パワー半導体などの製造に求められる新たなニーズにも対応する。

グリーンデバイス製造において、使われる基板の材質は、半導体製造で広く用いられるシリコン(Si)に加え、サファイア(Al2O3)や炭化ケイ素(SiC)などがある。 これら特殊材質の基板やMEMSデバイス用基板は、前工程の成膜条件によって基板が反るなど変形することも多いため、ウェハステージや搬送システムなどにさらなる改良を加え、変形(反り)基板の搬送や露光に対応している。 また、特殊材質の基板は様々なサイズがあり、複数サイズの基板を混用することが可能なマルチサイズウェハ搬送システムも装備し、生産効率向上に寄与していくという。

FPA-3030i5+の外観