プレゼンテーションサイトの本質は「ラブレター」?

平野:「"じぶんプロジェクト"をはじめる場合、つまり実際にプレゼンテーションしようとした場合に最も必要なことは、できるだけシンプルに伝えるということです。

例えば、知らない人に唐突に"僕の話をとりあえず1時間くらい聞いてくれる? "って言われたらびっくりしますよね。何の話か分からないし、時間も長い。言いたいことが整理されていて、一瞬でそれが何であるかわかるようなものでないと興味を持ってもらえない。身近な例では、FacebookやTwitterなどを見ていると、素敵なサイトによく出合うんですが、たいていの場合は一目惚れするんです。逆に言うと一目惚れさせるくらいに纏まっていないと、まだ削り足りない。。」

――「プレゼンテーション型Webサイト」とは、自分の言いたいこと伝えたいことをノイズを削ぎ落とした形で伝えるということですね

平野:「そうですね。そういう意味では"ラブレター"に似ているかもしれません。"15秒だけサイトを見てください。よかったらその次3分、10分も見ていただけますか"ということです(笑)。まず"僕の話を聴いてください"というところから始まるので、当然はじまりは素敵なほうがいいし、想いは簡潔であるほうがいい。 ちょっと雰囲気をだすためにBGMを入れてみるとか、そういった工夫ができているかどうかが重要なんですね。

というのもソーシャルを活用するユーザーは、検索で来ているわけではなくて、友達に"これマジいいかも"といわれてリンクで飛んでくる。事前に内容がまったくわかっていないわけです。つまり、はじめてWebサイトを見てもらう時にそこで、"ガツン"と惹きつけるものがないとダメなんです。いきなり腕を掴み、好きだと告白しても当然振られますよね(笑)。知らない人に気持ちを伝えるわけですから、順序とおもてなしが大事なんです。」

――何事も本気なら最初が肝心ということですよね

平野:「優れているWebサイトは、最初の15秒でビューアーの心を掴んでいる。一瞬で何かがわかれば、好きかどうかもわかる。好きかもしれないから続きをみる、という流れがそこに生まれる。それはもう技術の領域とかではなく、自分自身をひとことで説明できるかとか、伝えたいことを表現できるかという根本を見つめ直すことに近い。つまり、人間そのものを問われる作業になってくる。LiVE for WebLiFE*は、そうした思いをすべて詰め込んだWeb制作ソフトウェアだと思っています。」

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確かに筆者も仕事柄様々なWebサイトを巡回するが、ある程度評判のあるWebサイトであれば、何の疑いもなくトップページの下の階層までリンクを辿ってクリックしていく。しかし、時間の無いときに事前情報の無い新しい情報を探す場合は、トップページの見た目だけで判断してしまう傾向にある。質の高いものや、明確な情報を見出しのように使っている場合以外はWebサイトを短時間に離れてしまっている。それをラブレターに例えられると妙に説得力があった。

ラブレターで例えられた「プレゼンテーション型Webサイト」のイメージ