米Appleが次期バージョンのiTunesで「Ping」機能を削除するという話題が広がっている。PingはApple版音楽SNSとして2010年9月にデビューしたが、ユーザーの間での評価は低く、実際の利用は低迷していたといわれている。Appleでは現在開発中のiOS 6において、TwitterやFacebookなどの外部サービスとの提携で積極的にSNS機能のOSへの統合を進めているほか、iCloudを使った写真共有サービスなどを推し進めている。Pingの廃止は、ユーザーのニーズを汲み取って実際の利用傾向に合わせた結果なのかもしれない。

この件を報じているのはAll Things DigitalのJohn Paczkowski氏で、関係者の話として、今秋にも登場するiTunesの次のメジャーリリースでPing機能の削除が削除されることになると伝えている。同時期にはiOS 6のリリースが控えており、おそらくはiTunes最新版の提供のすぐ後にiOS 6の配布がスタートする形になるとみられ、iOS 6登場を機にPing廃止が実施されることになるかもしれない。

Pingについての評価はさまざまだが、他のAppleのヒット商品のように世間的に受け入れられたとは言いがたいといえる。先月、米Apple CEOのTim Cook氏はD10イベントのインタビューにおいて、同社のSNSに対するスタンスについて、TwitterとFacebookのことを評価しつつ、積極的に提携していきたいとの意向を示していた。一方で「Ping」については「時期をみて判断する」といった趣旨の発言も行っており、廃止の決定に含みをもたせていた。その意味でフェードアウトも自然な流れなのかもしれない。