米Appleは6月11日(現地時間)に開催されたWWDC 2012のキーノートで、「iOS 6」の概要を発表した。iOS 6のリリースは秋と予告され、2011年10月に登場したiOS 5からおよそ1年目のメジャーアップデートになる。対応するデバイスはiPhone 3GS以降のiPhone、iPad 2、新しいiPad、第4世代iPod Touch。iPhoneについては「iPhone 3GS and later」と表記されていることから、当然、次期iPhoneもここに含まれていると考えるのが自然だ。AppleのiOSソフトウェア担当Scott Forstall氏によると、iOS 6には200を超える新機能が搭載されるという。ここでは、キーノートで紹介されたiOS 6の機能を、1つ1つ振り返っていきたい。
もっともインパクトが大きかったのが、マップの刷新だ。従来のiOSでは、Googleの「Google Map」をベースにした「マップ」アプリが内蔵されていたが、この機能が、Apple独自のベクター形式の地図に置き換わる形となる。地図は、従来同様の俯瞰表示に加え、斜めから見た立体表示にもでき、建物の高低が分かりやすくなった。Androidのマップも2本指のドラッグで立体化できるが、見た目の印象はそれに近い。画面左下には「3D」というボタンが表示され、タップすると3Dの映像に切り替わる仕組みだ。地図用に用意されたデータベースは、1億件を超えるといい、Yelpとも連携するようになった。地図にクラウドをソースにした交通状況を重ね合わせることができ、事故情報なども表示される。
iOSに搭載されていたマップには、今まであまり大きなアップデートがなく、機能については、Androidに遅れを取っている面もあった。Appleは、iOS 6でこうした状況を一気に改善する構えだ。Appleによると、マップのリニューアルは日本も対象になっているという。今のところ、すべての機能が利用できるかどうかはわかっていないため、今後の動向にも注目しておきたい。データベースまで変わってしまうため、日本の細かな情報をどこまでフォローできているのかも気になるところだ。新たなマップは「Siri」とも連携する。