Adobe Creative Cloudの購入方法

Adobe Creative Cloudで提供されるアプリケーションは基本的に最大2台のコンピュータにインストールすることができる。だから作業場で作り上げたデータをモバイルで持ち出してクライアントに見せる、といった使い方もOK。ただし、起動時にインターネット回線を使ったライセンス認証が行われるため、2台同時に使用することは不可能。出先でのライセンス認証を考えるとインターネット環境が必要になる。なお、このライセンス認証は30日ごとに実施される。

また、有料メンバーシップの有効期間はWebを経由した場合はアドビストアでの購入手続きが完了した時点からスタートする。ひとつのAdobe IDで申し込めるAdobe Creative Cloudはひとつだけ。すでにAdobe IDを持っているユーザーはそのままそれを使うことができる。アドビ システムズによれば「今まで複数のAdobe IDを作成したユーザーは、どのAdobe IDで申し込むかをきちんと把握したほうが良い」とのこと。これは日本だけでなく海外でも、複数のAdobe IDを持っているユーザーが、バージョンアップや発売記念版の対象になるアプリケーションの登録に使用したAdobe IDを忘れた──というケースが散見されるそうだ。長くアドビ製品を使っていれば複数のAdobe IDを持っているケースがあるかもしれない。これは事前に注意しよう。

Adobe Creative Cloudメンバーシップには現時点では2種類ある。ひとつはCreative Cloud「個人版」、そしてもうひとつは「グループ版」である。Creative Cloud「個人版」の購入方法には、(1)Adobeのオンライン販売サイトであるAdobe Storeで購入・申し込み、(2)アドビ製品を販売している家電量販店等で販売予定している「アドビ キーカード」という形体で購入する、というものだ。個人ユーザーであればいずれかの方法で購入することになるが、(1)の場合は、月々プランと年間プランの契約形態で支払う金額は異なるが、基本的に毎月での支払いとなるのが特徴である。(2)の場合は、年間契約プランを一括払いするような販売方法で、キーカードに記載された番号を自宅のPCでアクティベートしてライセンス認証を行う形である。このアドビキーカードによる販売方法は6月下旬に日本で導入される予定なので、より購入の場所が広がって便利なのではないだろうか。

さらにAdobe Creative Cloudは現在サービスインしている個人向けに加え「グループ版」も販売を控えている。これは、ストレージが20GBよりも多く設定されることが予定されており、複数ユーザーがそれぞれのAdobe IDを使ってAdobe Creative Cloudを使うことを想定し、このAdobe IDの管理機能を何らかの形で付け加えることになるという。アドビ システムズによれば「まだ詳細は未定」とのことだが、複数人のスタッフを抱えるデザイン事務所などはこちらを考慮に入れても良いのではないだろうか。現在、2012年下半期のサービスインを目指して環境を整えているところとのことで、「Adobe Creative Cloudグループ先行版」を販売中。これは、グループ版の販売開始までまてない企業ユーザー向けにCS6 Master CollectionとMuseならびにEdgeといったすべてのアプリケーションを、1年間のタームライセンスとして年間9万円(市場想定価格)で利用できるというもの。グループ版が正式にリリースされた際には、移行が行われ、クラウドのディスクサービスなども使えるようになる。

Adobe Creative Cloudのストレージとは?

Adobe Creative Cloudのユニークなサービスがストレージサービスである。有料メンバーシップの場合は20GBのストレージを自由に使い、グループワークに役立てることができる。Dropboxのようにデスクトップに常駐するような形ではなく、すべてWebブラウザ経由で行う。

デザイナーやクリエイターにとって便利なのが、Adobe InDesignやIllustratorのデータをそのままプレビューできるということ。他のクラウドサービスではPDFやテキストファイルのプレビューはできても、さすがにInDesignのドキュメントをナマのままアップしてプレビューすることはできない。

試しにInDesignのドキュメントをアップしてみると、基本的なファイル情報はもちろん、使用書体も表示される。これを公開してクライアントチェックを受けたり、ダウンロードを許可したりとアドビらしさも加わったクラウドストレージを体感できる。

Adobe Creative Cloudのストレージ画面。PDFはもちろん、InDesignの生データもプレビューできるのがポイント