こんにちは、SMM Labの小川です。

ブログ、Twitter、Facebook、mixi、Google+など、ソーシャルメディアはますます多様化していますが、あなたの会社ではどのメディアを運用していますか?全てのアカウントを持ち、運用している企業も多いかと思いますが、意外とそれぞれを「何の目的で」運用しているのか、分からなくなることもあるのではないでしょうか。

そこで今回SMM Labでは、代表的なメディアを5つの観点から整理、改めて違いをまとめてみることにしました。「運用すること」自体が目的とならないよう、今一度それぞれのアカウント運用の目的を、考え直していただくきっかけになれば幸いです。

ソーシャルメディアは5つの観点から整理できる

まず、ネットメディアにおける情報の質として、「フロー」と「ストック」という概念があります。これは、リアルタイムで流れていくタイプの情報なのか、蓄積していくタイプの情報なのかという考え方ですが、この「フロー」と「ストック」という概念はさらに5つの観点から整理できます。

1.情報鮮度:リアルタイムか、レコーディングか

2.情報の広がり:拡散型か、蓄積・ロングテール型か

3.情報の共有先:インタレストグラフか、ソーシャルグラフか

4.情報入手方法:自ら探しに行く能動型か、友人を介してもたらされる受動型か

5.情報の公共性:オープンか、クローズドか

ブログ、Twitter、Facebook、mixi、Google+の違いをこの5つの観点から整理すると、すっきりと理解することができます。

ブログは、レコーディング・蓄積/ロングテール・インタレストグラフ・自ら探しに行く能動型・オープンなメディア

ブログは代表的な「ストック型」メディアです。ブロガーが更新した情報は、インターネット上に蓄積されていきます。

そして、ブログの最大の特徴は、誰からでもアクセスすることができるオープン型のメディアであるということです。それはつまり、「検索性に優れている」ことを意味します。

「化粧水」を例にとってみましょう。ブロガーが、あなたの会社の商品である化粧水を購入したと想定します。そしてその化粧水を利用した感想をブログに書き込んでいたとしましょう。

ブロガーが書き込んだ情報は、ページが削除等されない限りずっとインターネット上に残ります。そして、能動的に何らかの「化粧水」に関する情報を検索していた人に見つけてもらえる可能性があります。さらにその検索キーワードは「化粧水 さらさら」「化粧水 安い 子供も使える」など、ブロガーが利用した言葉をきっかけに、思いもよらないような様々なニーズの人にリーチしてもらえる可能性があるのです。ブログはこのように、情報をオープンな場所で「ストック」していけ、さらにロングテールなニーズに対応できるという特徴があります。

企業はブロガーの発言をコントロールすることはできません。ただし、ブロガーとコミュニケーションをとり、ブロガーに発信してもらえる施策を行うことは有効であると言えるのではないでしょうか。

また、もちろん企業としてもブログを利用する価値があります。社長ブログや広報ブログ、店舗毎のブログなど様々な用途が考えられるでしょう。ある程度まとまった文章量で情報を伝えられ、検索の対象にもなる点がブログのメリットと言えます。

一方で、TwitterやFacebookに比べると、ブログ単体では、情報が一気に広まっていく「拡散力」はあまり強くありません。TwitterやFacebookといった拡散力の強いメディアと組み合わせることで効率の良い拡散を期待することができるでしょう。

Twitterは、リアルタイム・拡散・インタレストグラフ・友人を介した受動型・オープンなメディア

Twitterは代表的な「フロー型」メディアです。140文字以内という短い文章がリアルタイムに次から次へと流れ、RTボタンにより友人を介して広く情報が拡散していきます。

Twitterの特徴は、「ゆるいつながり」を介した拡散力です。Twitterの情報はすべてオープンになっています。ブロック機能はあるものの、基本的にはフォローするのにも、フォローされるのにも制限はありません。また、特に実名制をとっているわけでもありません。よって、実際の友人関係を超えて、興味・関心の共通するインタレストグラフの中で「ゆるいつながり」が結ばれており、共感を呼ぶ情報はあっという間に広まっていきます。このTwitter上でのつながりは、承認制をとるFacebookやmixiとは大きな違いです。

一方、Twitterはあっという間に情報が流れていってしまうため、じっくりとコミュニケーションを積み重ねるのにはあまり向きません。また、オープンな情報とはいえ、文字量も少なく、検索エンジンに強いとは言えません。

Twitterを利用するにあたっては、まずはいかに「広く」情報を伝えていくか、またいかに「広く」伝わっていく情報を発信するか、という点を重視するべきです。Twitterのタイムラインには、「ゆるいつながり」の友人から次から次へと、受動的に情報が流れてきます。その中で、いかに情報自体に価値を見出してもらえるかがポイントとなります。

Facebookやmixiは、リアルタイムとレコーディング・拡散と蓄積、ソーシャルグラフ・友人を介した受動型・クローズドなメディア

Facebookやmixiは、「フロー型」と「ストック型」の両方の側面を持っているメディアです。

Twitter同様に、リアルタイムに情報が流れていくフローの側面を持ちつつ、Facebookに導入された「タイムライン」や、mixiの「日記」のようにストックの側面も持っています。

Facebookやmixiの最大の特徴は、実際のソーシャルグラフを基盤にした「強いつながり」です。フィード購読制を導入したFacebookよりも、mixiはさらにその傾向が強くなります。Facebookやmixiでは、強いつながりの中に、いいね!やイイネ!を介在にして情報が広まっていきます。

また、ブランドのページを持つことができ、そこに「ファン」をストックしていくことができます。フィード以外にも様々な情報(例えば写真や動画等)を掲載することもできるため、企業からの一方的なメッセージ発信ではない、ファンとのコミュニケーションが取りやすい環境となっています。

一方で、Facebookやmixiは基本的にクローズドな情報のため、検索には強くありません(Facebookやmixi内にある検索ボックスも使い勝手はあまりよくありません)。Facebookやmixi内でユーザーから能動的に自分の企業ページを見つけてもらえることはあまり期待しない方がよいでしょう(能動的に見つけてもらうためには、キャンペーンが有効な手段です)。基本的には、Facebookやmixiは、友人から受動的に様々な情報がもたらされるメディアです。その点から、企業はまずはいかに共感を呼ぶ投稿を行うか、という点を重視する必要があります。

Google+はすべての要素を持ち得る

最後に、Google+の特徴についてまとめておきます。

Google+でも、TwitterやFacebookのように今目の前に起きていることをリアルタイムに友人に共有することができます。その情報は+1ボタンやコメントを通じて、友人に広まっていきますので、TwitterやFacebook、mixiのように「受動」のメディアであると言えます。

Google+には「承認制度」がなく、自由に「サークル」に追加することができます。その意味ではTwitterに似ています。しかしながら、この「サークル」が優れもので、自分の好きなようにサークルの設定をすることができるのです。つまり、どのサークルに何の情報を公開するのか、ユーザーは自由に設定することができます。その意味ではFacebookに似ています。

さらに、先日Googleは、Google+の+1情報を検索に取り入れると発表しました。これにより、検索に強いブログの要素も持ち得ることになったと言えます。Google+は、今後すべての要素を持ち合わせるメディアになるかもしれません。

メディア毎の特性を踏まえて、マーケティングプランを作ろう

今回は代表的なソーシャルメディアの特徴を改めてまとめてみました。これですべてのソーシャルメディアを網羅しているわけではありませんし、そもそも「ソーシャルメディアとは何なのか?」の定義についても様々な議論が存在します。しかし、大切なのは、まずは代表的なメディアの特徴をしっかりと把握し、それを踏まえたマーケティング施策をとることだと思います。

後編では、これらの特徴を踏まえて、具体的にどのようなマーケティング施策が考えられるのかについてお伝えします。

この記事はソーシャルメディアマーケティングラボのブログに掲載された過去記事を転載しています。
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