これから夏に向かうにつれ、夜でも爽やかな気候になる。街のライトアップも増え、夜に出かける機会も多くなるだろう。夏夜には花火も欠かせない。きれいな夜景はぜひ写真に収めておきたいが、夜の風景を手軽に高画質で撮れるカメラが「EXILIM EX-ZR20」だ。

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お出かけシーズン真っ只中。動く被写体をキレイに撮りたい!ならば「EXILIM EX-ZR20」の出番だ

かつてのコンパクトデジタルカメラは、あまり夜景撮影に重点を置いてこなかった。コンパクトデジタルカメラを使用するユーザーは三脚の使用率が低く、ブレが大きくなってきれいに撮影できないことが多かったためだ。

それが近年、撮像素子の高感度化や手ぶれ補正機構の性能向上、さらに画像処理エンジンの進化により、手持ちでも夜景をきれいに撮影できるカメラが増えてきた。中でもカシオ計算機の「EXILIM EX-ZR20」(以下、EX-ZR20)は、オリジナリティのある機能でより夜景を撮影しやすくなっている。

EX-ZR20といえば、最大30コマ/秒の高速連写や軽快動作が大きな魅力だが、高速連写を夜景撮影にも応用している。夜景撮影ではカメラに入ってくる光が少ないため、絞りは開放、シャッター速度は低速、ISO感度は高めで撮影されるのが基本。ただ、シャッター速度を下げるとブレやすくなり、ISO感度を上げるとノイズが増えてしまう。EXILIM EX-ZR20では、高速連写と複数画像の合成という手法で、夜景撮影の難しさを大幅に緩和している。

今回はEX-ZR20を使い、夜景や暗い場所での撮影を考えてみよう。ここでは三脚を使用せず、すべて手持ちで撮影している。三脚を使用すれば、撮影モードによっては自動的にカメラが固定されているのを感知して、より高画質で撮影されるのだが、今回は機会の多そうな手持ち撮影を行った。

「HS夜景」モードで手持ちでもブレのない夜景撮影

EX-ZR20が備える撮影モードのうち、夜景に幅広く使用できるのが「HS夜景」モードだ。高精度なオートモード「プレミアムオートPRO」で撮影していても、暗い場所になると自動的に「HS夜景」モードで撮影されることが多い。

一般的なデジタルカメラに搭載されている夜景撮影モードは、シャッター速度が極端に遅くなる場合がある。手持ちで夜景撮影ができるモードでは、シャッター速度は手ぶれ補正でぎりぎりブレぶれない程度まで遅くなり、ISO感度を上げて明るく撮影している。

撮影していて暗いと感じたら、「HS夜景」モードを積極的に使うとよい。通常はプレミアムオートPROでも夜景を自動判別して「HS夜景」モードで撮影される

それに対してEX-ZR20は、ブレない程度にシャッター速度を保ちつつ、高速連写機能を使って複数枚の画像を撮影し、その画像を合成することで明るい夜景写真を出力する。1枚の画像は暗く映るが、露出を変えながら連写して何枚も重ね合わせれば、ブレを抑えたまま明るい写真が撮れると仕組みだ。これはカメラ内部で自動的に処理される。連写中に画角が大きくずれない限りは、ほぼ失敗なく撮影できた。

また、HS夜景モードは見た目に近い明るさで撮影するが、自分のイメージよりも暗く撮れたり明るく撮れたりすることがある。そんな時は露出補正だ。「SET」ボタンを押してメニューを出し、明るくしたいときはプラス側に、暗くしたいときにはマイナス側に補正して撮影する。

露出補正で明るさを調整して撮影。この写真の場合は「-2」くらいまで補正したほうが引き締まった印象になる。写真左が露出補正なし、写真右が「-2」の露出補正

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