iPhone、iPadなどの静電容量式タッチパネル用スタイラスペンとして定評のある、ワコムの「Bamboo Stylus」。同製品の新ラインナップとして4月に発売された「Bamboo Stylus duo(以下、duo)」は従来のスタイラスの反対側にボールペンを備えた、デジタル/アナログ両刀遣いのスタイラスペンだ。

「Bamboo Stylus duo」は導電式スタイラスとボールペンのハイブリッドペン。ワコムストアでの価格は3,480円

静電容量方式パネルはNintendo DSのような樹脂製タッチペンは使えず、「導電性」と呼ばれる電気を通す素材(導電性ゴムや金属など)である必要がある。しかもある程度の接触面積が必要で、筆記具としては先端は細くしたいが、反応をよくするには太さが必要と、相反する条件を要求される。現在、各種メーカーが様々な素材や方式を試みているが、ワコムのBamboo Stylusは、細身のペン先でありながら、軽いタッチでも反応する高性能スタイラスとして定評がある。

今回発売されたduoのデザインも、一見するとBamboo Stylusとほとんど同じ。全長が1cmほど長い(Bamboo Stylusは120mm、duoは131mm)だけのように見えるが、クリップが付いている側がキャップになっており、キャップをはずせばボールペンが現れる。これなら、不意にアナログペンが必要になった時、慌てずに済むわけだ。

キャップを付け替えることでスタイラスとボールペンの2種類を使い分けることができる

Bamboo Stylusとの比較。デザイン質感はほぼ同じで、長さが約1cm長い

キャップの有無で重心が変わる!

使用感だが、まず感じるのはその重量感。先に発売されたBamboo stylusは20グラムで、こちらもやや重めのペンだったが、duoはそれより4グラム重い24.1グラムだ。実際に使ってみると、キャップ側が重たく感じる。重心はペンの中心にあるのだが、全体が長くなっている分、ペン先に近い部分を持つと、お尻の方が重たく感じるのだ。しかしペン先に近い所を持って操作すると、画面に指が触れて誤操作になってしまうため、ペンの中腹を持つとよいだろう。これなら重心のバランスもとれる。

Bamboo Stylus(上)との重心の比較。どちらもペンの中心に重心があるが、duoは長くなっている分、ペン先から重心までの距離が長くなっているのがわかる

キャップ式になったことで、もうひとつ、従来にはないメリットが生まれた。それは重心の可変性だ。キャップをつけた状態で重たいと感じる場合は、キャップをはずした状態で使ってみるとよい。キャップをはずした本体重量は18グラムで、従来モデルより2グラム軽い。重心もぐっとペン先側に近くなり、非常に軽快な使い心地に変化する。

キャップをつけた場合(下)の重心と、キャップをはずした場合(上)の重心の違い。キャップをはずすと重心がかなりペン先側に寄るのがわかる。スタイラスを長時間使う時は、キャップをはずして使うといい

ちょっとしたメモを描く時はキャップをつけたままで、長文や細密に絵を描きたい時は、キャップをはずして使うのがduoの正しい使い方と言えそうだ。

後編では、描画の要となるペン部分にフォーカスする。また、お絵描きアプリなどを使用し、実際の使い心地もお伝えしよう。