GA-Z77-UD5HはGIGABYTEの最新機能の「全部入り」

まずGA-Z77-UD5Hのデザインをチェックしていこう。GA-Z77X-UD5Hは、サイズが305×244mmのATXフォームファクタのマザーボードだ。LGA1155ソケットを中心に、16個のフェライトコアが並び、うち12フェーズをCPUパワー用に用いているとされる。CPU電源回路ではほかにも、「3D POWER」として、CPU、統合GPU、メモリおよびVTTに対し、デジタルPWM制御を行う「オールデジタルパワー」設計を採用し、電源制御のレスポンスの改善や、正確な電力供給を可能としている。そしてこれらのパラメータは、Windows上のユーティリティ「3D POWERユーティリティ」から制御できる。

G1. Sniper 3と並ぶZ77フラッグシップモデル「GA-Z77X-UD5H」

CPU周辺のフェライトコアは16個で、ヒートシンクの下にも隠れている。制御はすべてデジタルPWM化されているのが3D POWERの特徴だ

デジタルPWM制御化された3D POWERは専用ユーティリティで制御する

拡張スロットはPCI Express x16×3、PCI Express x1×3、PCI×1という構成だ。PCI Express x16スロットは、全てGen3(対応CPU、Ivy Bridgeが必須)に対応しているが、グラフィックスカードが1本の際は最上段を使い16レーン接続でき、2本の場合は#1と#2に挿すことで、8レーン×2本で接続できる。3本目のx16スロットはやや特殊で、22nmプロセスのCPU、つまりIvy Bridgeを搭載した際のみ利用可能で、その際は#1が8レーン、#2と#3は4レーンずつとなる。ほか、PCI Express x1スロットは全てチップセットから伸びており、Gen2動作となる。マルチGPU機能に関しては、AMD CrossFireXおよびNVIDIA SLIをサポートすることに加え、CPUの統合GPUとディスクリートGPUの組み合わせでパフォーマンスを向上させるLucid Virtu MVPもサポートする。

拡張スロットはPCI Express x16が3本、x1が3本、PCIが1本。ただしx16スロットは組合せるCPUやカードの本数によって利用できるスピードやレーン数が変わるので要注意

SATAポートは、eSATAやmSATAを含めると合計11基となる。内訳は、チップセットのサポートするSATA3が2ポート、SATA2が4ポートで、mSATAはチップセットのSATA2のうち1ポートと排他の仕様だ。残るSATA 3×3ポートとeSATA 6GbpsはMarvell 88SE9172チップを追加して実現している。

マザーボード上には、白いチップセットのSATA3×2、黒いチップセットのSATA2×4、グレーの追加チップによるSATA3×3が用意されている

USB 3.0は合計10ポートとなる。チップセットから直接伸びるUSB 3.0は2ポートで、残る8ポートは、チップセットのUSB 3.0×2ポートに対しそれぞれVIA VL810 USB 3.0ハブチップを接続することで8ポートに増やしている。なお、Windows XPではこの8ポートがUSB 2.0接続に制限される点に注意したい。

USB 3.0は、チップセットの4ポートのうち2ポートにハブを介し、合計10ポートに拡張している

バックパネルにはUSB 3.0が4ポート、USB 2.0が2ポートに、eSATA 6Gbpsポートなどを装備。ディスプレイ出力も4種類あり、LANはデュアル仕様だ

そのほか、マザーボード上で特徴的な機能としては、POSTコードを表示するデバッグLEDと、電源、リセット、CMOSクリア用のボタン、計器を接続し正確な電圧を測定できる電圧計測ポイント、グラフィックスカードのOC時の安定化を図るSATA形状の電源端子「OC-PEG」、そしてBIOS切り替え用のハードウェアスイッチがある。BIOSと言っても、搭載されているのはUEFIであり、GIGABYTE伝統のDual BIOS(Dual UEFI)として2重化されている。

メモリスロットの横には、各種ハードウェアボタンとテスターに接続するための接点を装備

また、同社最新の品質基準である「Ultra Durable 4」(UD4)も全てサポートしている。ボード上のコンデンサは日本製の長寿命タイプ、フェライトコアは低RDS(on)MOSFETを採用しており、ほか、2オンス銅薄層も採用している。これらコンポーネントの採用により、発熱を抑えているとされるほか、UD4では、湿度に対する耐性、静電気に対する耐性、電断に対する耐性を高めているとされる。

ソフトウェア面での特徴は、先の3D POWERユーティリティに加え、マザーボード写真をベースに各所の設定ができるUEFI「3D BIOS」や、Intel Smart Response TechnologyやRapid Start Technology、Smart Connect Technologyを簡単に設定できる「EZ Smart Response」、LANのネットワークトラフィックを管理する「LANオプティマイザー」などが新規に搭載されている。もちろん、従来からのソフトウェアである「On/Offチャージ」やOCツールの「Easy Tune 6」などもサポートされている。

このように、GA-Z77X-UD5Hは、Intel Z77の機能とGIGABYTEのテクノロジの「全部入り」である。OC用途で検討中の方はもちろん、ゲーム用途、SATAポート数の多さでファイルサーバ用途にも向いていると言えるだろう。