2012年5月9日から11日の3日間、東京ビッグサイトにて半導体やedaツール、組み込み技術/製品などが一堂に会する展示会「第15回 組込みシステム 開発技術展(ESEC 2012)」が開催されている。

ESECのほか、多くの展示会が同時開催されている

ESEC 2012は、複合展示会「2012 Japan IT Week 春」の展示会の1つであり、同時開催として「第2回 スマートフォン&モバイルEXPO【春】」「第3回 クラウドコンピューティングEXPO【春】」「第6回 Web&モバイルマーケティングEXPO【春】」「第9回 情報セキュリティEXPO【春】」「第1回 ワイヤレスM2M展」「第4回 データセンター構築運用展」「第21回 ソフトウェア開発環境展」「第14回 データストレージEXPO」「第17回 データウェアハウス&CRM EXPO」「第7回 RFIDソリューションEXPO」「第6回 ダイレクトマーケティングEXPO」がある。今回は、ESEC 2012出展各社のブースの中から、いくつか筆者の興味を惹いたものをお伝えしたい。

ESEC 2012の会場風景

組み込み分野でのIAのさらなる浸透を目指すIntel

大手半導体ベンダのIntelの日本法人であるインテルのブースでは、例年のとおりパートナー各社によるx86 CPUを用いたソリューションの展示のほか、「Intelligent System Zone」と銘打った、これまでインテルアーキテクチャ(IA)の採用が少なかった分野に向けた新しい応用例や、次世代分野に向けたソリューションの紹介などが行われている。

例えば、MicrosoftおよびFaceCake Marketing Technologyと共同開発を行った「Swivel/Your Dressing Room」はKinect for Windowsを使用したジェスチャ操作により、様々な服やアクセサリを気軽にサイネージ上に写していろいろな組み合わせを気軽に実現するシステムで、ブースでは実際に自分で試してみることも可能だ。

「Swivel/Your Dressing Room」のデモ。Kinectで人物を認識して、モニタ上にチョイスした服や以前購入した服データなどを展開して、どんな組み合わせが似合っているか、などをチェックすることができるというもの

また、今回はM2M展も同じ会場(西館1階)で行われていることもあってか、M2Mへの適用をアピールするものも複数見られ、Atomを用いたM2Mインテリジェント・ビル・コンセプトモデルなどを見ることができる。

ワイヤレスM2M展が同時に開催されていることもあってか、M2Mソリューションに向けた提案も多かった

この夏に待ってる節電に向けた電力の見える化ソリューションを公開

ユビキタスのブースでは、同社が進める電力の見える化ソリューションの一環として、消費電力の監視と電源のオフが可能なクラウドサービス「NAVI-ENE」などのデモが行われている。

ユビキタスブースに設置されたiRemoTapとNAVI-ENEを連動させた部屋のイメージデモ。右の画像がiRemoTap

同サービスは同社が開発し、サンワサプライからこの夏、販売が開始される予定の電力監視電源タップ「iRemoTap」と連動して提供することを計画しているもので、基本的なサービスとしてiRemoTapに接続されている機器の電源をオフにする機能と、最大一か月単位での電力消費グラフが無料で提供される(時間単位や日単位、週単位でのグラフ化が含まれる)。また、複数月にまたがる電力消費状況や、過去の月分の確認などに関しては、有料オプションサービスとして提供される予定だという(無料提供サービス分の場合、例えば5月一か月分は見えても、月をまたいで6月に入ってしまうと、5月分は見れなくなり、6月分のみが見れるようになるといったイメージ)。有料サービスは月額課金を考えており、費用としては低い方の数百円程度にするつもりとのこと。

NAVI-ENEの初期画面。複数のiRemoTapを管理でき、みたいタップを選択することで、詳細なデータを見ることが可能

iRemoTapの1つを開いた際の画面。どれくらい電力を消費しているのかのほか、接続されている機器を選択することで、機器ごとの電力消費量も見ることも可能

また、画像の左側には各機器の電源オフボタンが用意されており、これを押すと、リモートで電源をオフにすることができる

各機器単位での電力消費も見ることが可能だ

サービスの開始時はiPad専用アプリとWebブラウザベースのアプリケーションが提供されるが、将来的にはiPhoneアプリとAndroidアプリも提供する計画だという。

また、同社が提供するサービスは基本的に個人向けだが、ISPやマンションプロバイダなどと提携し、そうした企業にOEM提供としてサーバ構築などを含めたトータルなソリューションとして提供し、法人向けにも参入したいとするほか、据え置きタイプの大型家電で専用コンセントを必要とするエアコンなどでの適用を想定した1個口のタップも提供する予定だという。

なお、同社ではiRemoTapなどの電力監視用のハードウェア部分に関しては、将来の市場動向次第だが、オープンAPIにすることで、より多くのカスタマなどに自由に活用してもらえるようにしたいと考えているとコメントしている。