ソニーは4日、オーバーヘッドタイプのヘッドホン5製品を発表した。ラインナップは、オーディオ用の「MDR-MA900icon」「MDR-MA500icon」「MDR-MA300icon」「MDR-MA100icon」の4モデルに加え、ボリューム付きのロングコードを採用するテレビ用モデル「MDR-MA102TVicon」の計5モデルとなっている。発売は4月21日。希望小売価格は、MDR-MA900が30,975円、MDR-MA500が9,975円、MDR-MA300が4,935円、MDR-MA100が2,468円、MDR-MA102TVが3,675円。

オープンエアー型の最上位モデル「MDR-MA900」

「フレキシブルイヤーフィットメカニズム」を採用する「MDR-MA500」

エントリーモデルの「MDR-MA100」

5製品はいずれもオープンエアー型のインドア向けモデル。オープンエアー型は自然な音の広がりが特徴だが、反面、密閉型に比べると低域のダイナミックさが不足する傾向がある。最上級モデルのMDR-MA900では、民生用ヘッドホンとしては最大の70mm径ドライバーを採用することで、低域再生能力を確保。さらに「アコースティックバスレンズ」と呼ばれる構造を採用している。

アコースティックバスレンズは、ドライバー前面の一部を音響抵抗素材でカバーすることで、低域のみを中心部に集めて増強するものだ。高域は音響抵抗素材を通過し、そのまま到達する。また、抵抗ネットワークによるインピーダンス整合回路を内蔵。接続する機器、例えばヘッドホンアンプとプリメインアンプのヘッドホン出力とではインピーダンスが異なり、これは特に低域の出力レベルに影響を与える。抵抗ネットワークにより、接続する機器ごとの音質のバラつきを抑えることに成功した。

「MDR-MA500」「MDR-MA300」が採用する「フレキシブルイヤーフィットメカニズム」。ドライバー部分が耳の角度にあわせて動く構造

左が「MDR-MA500」で右が「MDR-MA300」。2モデルの構造上の違いは、「MDR-MA500」がネオジウムマグネットを採用している点。デザイン面では、「MDR-MA500」はハウジング外周にシルバーのリングが設けられているのに対して、「MDR-MA300」では、この部分がブラックとなっている

ミドルモデルのMDR-MA500とMDR-MA300は「フレキシブルイヤーフィットメカニズム」と呼ばれるシステムを新採用。同システムは、ハウジング内に納められたドライバーユニットが、ユーザーの耳に合わせて角度を変えるというもの。人によって異なる耳の角度にフィットさせることで、高い装着感と低域エネルギーの漏れを防いでいる。

MDR-MA900以外の5モデルのドライバー径は40mm。また、MDR-MA900とMDR-MA500ではマグネットにネオジウムを採用している。

コードは、MDR-MA900とMDR-MA500が片出しタイプで、ほかのモデルは両出しタイプ。コード長は、テレビ用のMDR-MA102TVのみ5mで、ほかは3mとなっている。

「MDR-MA100」。2,000円台という価格のエントリーモデルながら、製品の質感は良好。また、再生帯域、ダイナミックレンジ、音の広がりなども、高いバランスでまとめられている

「MDR-MA900」では、ヘッドバンドやハンガー部分を細くし、さらに軽量素材を使用することで軽量化が図られている

重量は、MDR-MA900が約195g、MDR-MA500とMDR-MA300が約245g、MDR-MA100とMDR-MA102TVが約190gとなっている。大口径ユニットを採用しているMDR-MA900の重量が小さいのは、ヘッドバンドのスライダー部やハウジング外側のグリル部にはアルミニウム、ハンガー部にマグネシウムといったように、随所に軽金属を採用しているためだ。またMDR-MA900では、ヘッドバンド部分のクッションに、柔らかな素材の「フレキシブルヘッドクッション」を採用。装着性を高めている。

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