まとめ

さてRadeon HD 7700シリーズ、HD 7770であれば、前世代のHD 6790(Barts)と同等以上の性能を持っていることがわかった。しかしながら差は微妙で、消費電力をあまり気にせず、3Dパフォーマンスだけを見るのであれば、HD 6790ユーザーがHD 7770を買い替え対象ととらえるのは難しい。ではBartsではないHD 6700や、GeForce GTX 550あたりから買い替えるかと言うと、そもそもGeForce GTX 560 Tiが実売で2万円前後、HD 6800シリーズでも2万円でおつりがくる現状だ。HD 7700シリーズの価格については、記事執筆時点では「199ドル以下」という情報しかないが、せめて1万円台中盤くらいになってくれないと、手が出しづらい。

一方で、消費電力を気にするユーザーにとっては非常に良い選択肢となる。そもそも競合に対して電力あたりパフォーマンスで利点のあるBartsと比べても、さらに電力あたりパフォーマンスが高い。パフォーマンスクラスに近い性能を、ここまで低い電力で発揮できるのだから、使い勝手はかなり良いGPUだろう。少しだけ懸念なのは、個体差なのかもしれないが、今回試用したHD 7750リファレンスの1スロットクーラーが、デスク横では使いたく無いレベルの、なかなかの騒音クーラーだったことだ。特に理由がなければ、2スロットクーラーを搭載したカードか、1スロットでも大口径ファン搭載のカードを選んだほうが無難だと思う。