今年の年末商戦をターゲットに11月から米国での販売が開始された米Barnes & Nobleのタブレット製品「Nook Tablet」だが、現時点までで100万台の出荷を達成したようだ。もともと同製品の2011年内発注数は80万台だったといわれており、需要に合わせて積み増しが行われたものとみられる。台湾Digitimesが上流サプライヤからの話として12月9日(現地時間)に伝えている。
Nook Tabletは米大手書店チェーンのBarnes & Noble (B&N)が、同社小売りチェーンを中心に販売を行っている汎用タブレット製品。同社はもともとAndroidをベースにした電子ブックリーダー「Nook」シリーズをリリースしていたが、これとは別にさらに汎用タブレットとして必要十分な性能と機能を盛り込んだ製品としてNook Tabletをリリースした。その最大の特徴は250ドルという安価な価格設定で、Nook Tabletの発表と同時に既存のNookシリーズの一斉値下げに踏み切っており、ハードウェア端末を原価ギリギリの価格で積極的に展開することで、本業である(電子)書籍販売など、コンテンツ事業のてこ入れを狙っている。同様のアイデアでは米Amazon.comが「Kindle Fire」を200ドルで販売しており、やはりコンテンツで回収するというトータル戦略を描いている。実際、Kindle Fireは価格設定もあり売上が非常に好調だと伝えられており、Nook Tabletとともに今年の年末商戦における台風の目と考えられている。また、タブレット分野ではiPadに対抗できる数少ない製品の1つだとみられている。
Digitimesによれば、Nook Tabletの製造は台湾Inventecが行っており、これをB&Nに卸す形で販売が行われている。こうした経緯もあり、Nook Tabletの好調なセールスは2011年第4四半期のInventecの業績に反映される可能性がある。一方でInventecは米Hewlett-Packard (HP)よりwebOS搭載のタブレット「TouchPad」のOEM生産を委託されており、これの製造中止による影響もすでに受けている。
(提供:AndroWire編集部)
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・Barnes & Noble