米Googleは16日(現地時間)、音楽サービス「Google Music」を発表した。同サービスは、以前まで提供されていた手持ちの楽曲をクラウド上にアップロードしてどこからでもストリーミングで再生が楽しめる「Google Music Beta」の正式版。正式版開始にあたり、Android向けに提供されていたアプリもBetaの表記が取れて「Google Music」となり、Android Market上での配布が開始されている。現在、サービスは米国ユーザー限定となっている。

5月のGoogle I/Oで発表された「Google Music Beta」は、CDやMP3の音楽ファイルなど、手持ちの楽曲を最大2万件までクラウド上にアップロードし、好きなときに好きなデバイスでの再生が可能にうぃれなる音楽ストレージサービスだ。現在でこそiCloudとiTunes Matchというサービスで同種の機能を備えたAppleだが、以前までの楽曲の管理には音楽ファイルを保存する母艦PCの存在が必要であり、iPodのような音楽プレイヤーを適時PCに接続して楽曲の同期を行わなければならなかった。音楽をクラウド上に置くことで、オンライン状態でさえあれば膨大な楽曲ライブラリにいつでも接続して好きな楽曲を再生できるようになり、それがMusic BetaやAmazon Cloud Driveのサービスのメリットである。Androidデバイス向けには「Google Music Beta」のアプリが用意され、いつでも楽曲の管理や再生が可能なようになっている。

新しくなったAndroid用の「Google Music」アプリ

今回発表された「Google Music」は、従来のBetaが持っていた音楽ストレージ機能に加え、新たにGoogleが用意したオンラインの音楽ストアに接続し、ここから楽曲を購入して直接自身の音楽ライブラリに追加できる機能を提供する。ちょうどAppleでいうiTunes Storeの機能だ。ある意味でサービスの核という部分であり、今回の実装を持ってBetaの冠を外し、「Google Music」サービスの正式ローンチと相成ったわけだ。Googleによれば、今回のサービスインにあたりUniversal Music Group、Sony Music Entertainment、EMIといった大手のほか、独立系楽曲管理団体のMerlin、そのほか1000以上のインディペンデント系ラベルの楽曲計1300万以上を用意したと報告する。またローンチ記念にThe Rolling Stones、Coldplay、Busta Rhymes、Shakira、Pearl Jam、Dave Matthews Band、Tiestoの一部楽曲を無料提供するとも発表している。詳細についてはGoogle Musicのページのほか、下記の紹介動画を参照するといいだろう。なお、同サービスは米国限定となっており、米国外のユーザーはGoogle Musicへの登録ならびに、AndroidのGoogle Musicアプリのダウンロードは行えない。


また興味深い新サービスとして、「Artist hub」が挙げられる。これはアーティスト自らがGoogle Music内にページを持ち、自身のプロモーションや楽曲のアップロード、ページ内での販売が行えるサービスだ。大手レコード会社をバックにしたメジャーなアーティストだけでなく、独立系や個人のアーティストまでGoogle Musicでのプロモーションやビジネス、ファンとの交流を持てる活動の場として活用できるだろう。


(提供:AndroWire編集部)

関連リンク

米Google、音楽配信サービス「Google Music」を16日に発表へ (2011年11月14日)
Google Music
Google