ガートナー・ジャパンは9月7日、「先進テクノロジのハイプサイクル:2011年」を発表した。その中で、アクティビティストリーム、ワイヤレス送電、インターネットテレビ、NFC (近距離無線通信) ペイメント、プライベートクラウドコンピューティングが、「過度な期待」のピーク期へ移行したとの見解を示している。

同社は、ハイプ・サイクルに関する一連のレポートで1,900を超えるテクノロジーを76のハイプ・サイクルに分類し、それらの成熟度、企業にもたらすメリット、今後の方向性に関する分析情報を提供している。

ソーシャルメディアの分野では、ソーシャルアナリティクス、アクティビティストリーム、グループバイイングがピークに近づきつつありとしている。

クラウドコンピューティングの分野では、より汎用的なクラウドコンピューティングからプライベートクラウドコンピューティングへとピークが替わり、「クラウド/Webプラットフォームは2010年以降、幻滅の『谷』に向かって下降している」と分析されている。

モバイルテクノロジーは変わらず短期的・長期的プランの大部分を占め、今回のハイプサイクルにもメディアタブレット、NFCペイメント、QR/カラーコード、モバイルアプリケーションストア、位置認識アプリケーションといった形で登場している。

先進テクノロジのハイプ・サイクル:2011年 資料:ガートナー

今後5年以内に実用レベルに至ると考えられる革新的なテクノロジーには、メディアタブレットやクラウドコンピューティングなど広く認識されているテクノロジに加え、インメモリ・データベース・マネジメント・システム、ビッグデータ、エクストリーム・インフォメーション・プロセシング・マネジメントなど、よりIT寄りのテクノロジーが含まれるという。

5年以上先の長期的な観点では、3Dプリンティング、コンテキスト・エンリッチ・サービス、インターネット・オブ・シングス、インターネットテレビ、自然言語による質問応答システムなどが技術面において大きな影響をもたらすことになるとしている。

10年以上先の観点では、3Dバイオプリンティング、ヒューマンオーグメンテーション、モバイルロボット、量子コンピューティングなども、IT分野の可能性に革新的な変化をもたらすと考えられるという。