ルネサス エレクトロニクスの統合マイコン「RL78ファミリ」の車載用「RL78/F12」

ルネサス エレクトロニクスは9月6日、キーレスエントリー、パワーウィンドウ、ミラーなどの車体制御分野向けに、システム低消費電力化と高機能化に貢献する16ビットマイコン「RL78/F12」32品種を製品化、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。量産は、2013年1月より開始し、2014年1月には合計で月産100万個を計画。サンプル価格は製品により異なり、例えば48ピンパッケージで、内蔵フラッシュメモリが64KB品では500円/個としている。

同製品群は、車輛内ネットワークとして標準となっているLIN機能を搭載し、8KBから64KBまでの容量の内蔵フラッシュメモリ、および端子数20ピンから64ピンまでのパッケージ品をラインアップ。130nmプロセスを採用し、従来製品「78K0R/Fx3」と「R8C/3x」に対し、約1/2の低消費電力化を実現しており、通常動作時で動作電流70μA/MHz(32MHz動作、基本動作時)、スタンバイ電流0.6μA(STOPモード、WWDT+LVD動作時、従来製品比約1/10)を実現しつつ、CPU性能も従来製品比約1.6倍となる41.6DMIPS(32MHz動作時)を実現しているほか、CPUスタンバイ状態でA/Dコンバータ(ADC)、シリアル通信を可能とし、必要な時だけCPUを起動する省電力モード(SNOOZEモード)を搭載することにより、さらなるシステム電力の削減が可能となっている。

また、従来製品「R8C/3x」および「78K0R/Fx3」では1.8Vでのデータフラッシュの書き込み/消去やADC動作に未対応だったが、同製品群では1.8Vでのデータフラッシュの書き込み/消去、ADC動作が可能になり、キーレスエントリーなどの低電圧で動作するアプリケーションへの適用が可能となった。

さらに、フラッシュメモリCRC演算機能によるフラッシュデータの誤り検出、RAMパリティ・エラー検出、不正なメモリへのアクセス検出、CPU暴走によるRAMデータ/SFR誤書き換え保護機能、ADCセルフテスト機能などを搭載しており、製品の異常動作を検知、回避することが可能となり、CPU負荷を軽減しつつシステムの安全性を向上することが可能となっている。

加えて同社では、将来的にはCPUコアの故障検出のためのセルフテスト・プログラムも提供する予定としている。