予想に反しLionでサポートが後退したのは、Windowsの標準ファイルシステム「NTFS」だ。Snow Leopardのときは、/etc/fstabにNTFSボリュームのエントリを登録しておけば、OS標準の機能でNTFSボリュームを書き込み可能な状態でマウントできたのだが、Lionではその方法が使えなくなった。つまり、NTFSはリードオンリーの状態でしかマウントできない。

LionでNTFSボリュームに書きこむ場合には、サードパーティー製NTFSドライバが必要となる。商用製品では「Paragon NTFS for Mac OS X 9」があり、すでにLionに対応している。もう1つの製品「Tuxera NTFS for Mac」もLion対応済みであることから、コストの発生を厭わないLionユーザならばこれら製品を購入すればいいだろう。

フリーウェアで済ませようとすると、選択肢は「MacFUSE」のみとなる。Webサイトで公開されている64ビット環境対応のMacFUSEパッケージを導入し、別途最新版のNTFS-3Gパッケージ(Tuxera NTFS for Mac 2010.12-RC)をインストール(MacFUSEも同梱されているためインストール時にNTFS-3Gのみ選択)すると、Lionでも読み書き可能な形でNTFSボリュームをマウントできる。

有償製品を使わずにNTFSへの書き込みを行いたい場合には、まず64ビット環境対応版MacFUSEをインストールする

プラグイン「NTFS-3G」にはMacFUSEも同梱されているため、これを除いてインストールする

筆者が試したところ、マウント時に「15秒以内に反応がなかったためマウントに失敗した」旨の警告ダイアログが現れるものの、読み書き可能な状態でNTFSボリュームをマウントできた。32/64ビットカーネルどちらでも動作したため、とりあえずLionで動作する状態にはある。

NTFSボリュームを接続すると、このようなエラーが表示されるが、書き込み可能な状態でマウントされる

NTFS-3Gにより書き込み可能な状態でマウントされたNTFSボリューム

もっとも、Snow Leopard(v10.6.5)以降のOS Xでは「exFAT」もサポートされ、読み書き/初期化とも対応している。Windowsと共用可能な大容量ファイルシステムを選ぶときには、exFATを選択したほうが無難なことは確かだろう。