2010年10月にフルモデルチェンジし、最薄部3mmの極薄ボディなどが話題になったアップルの「MacBook Air」。その後継モデルが登場した。筐体デザインは前モデルとほぼ同じだが、内部的には別物といっていいほど大きく進化している。

新11インチモデル(左)と新13インチモデル(右)の外観。アルミユニボディの筐体は、従来から変更はない

実際に使用してみて変化を感じるのが処理性能の向上だ。従来は11インチモデルがIntel Core 2 Duoの1.4GHzまたは1.6GHzを、13インチモデルがIntel Core 2 Duoの1.86GHzまたは2.13GHzを搭載していたが、今回からいずれも第2世代Intel Core i5を搭載しており、クロック周波数は11インチが1.6GHz、13インチが1.7GHzとなっている。グラフィックスも従来のNVIDIA GeForce 320MからIntel HD Graphics 3000に変更された。

11インチモデルにはCore i5 (1.6GHz)が、13インチモデルにはCore i5 (1.7GHz)が搭載されている。メモリはそれぞれ2.0GBと4.0GB

そこで、どれだけパフォーマンスが上がったかを確認するため、ベンチマークソフト「Geekbench(64bit版)」を使ってプロセッサやメモリの性能を計測してみた。その結果は下表の通り。なお、新モデルに条件を揃えるため、旧モデルにもOS X Lionをインストールした上で計測している。

Geekbench(64bit版)のスコア
機種 新11インチ 新13インチ 旧11インチ
CPU Core i5 Core 2 Duo
クロック周波数 1.6GHz 1.7GHz 1.6GHz
メモリ 2.0GB
1,333MHz DDR3
4.0GB
1,333MHz DDR3
4.0GB
1,067MHz DDR3
Integer 3855 4587 2226
Floating Point 6615 7952 3407
Memory 4362 4766 1982
Stream 4804 5153 1550
Geekbench Score 5017 5857 2522

ベンチマーク結果を見ると、総合的なパフォーマンスの指針となるGeekbench Scoreは、新11インチモデルが旧モデルの上位機種の約2倍、新13インチモデルが約2.3倍となっている。また、細かいパフォーマンスを見てみると、プロセッサ周りのIntegerとFloating Pointの数値だけでなく、メモリ周りのMemoryとStreamの数値も大きく向上しているのが分かる。これは、メモリクロックが従来の1,067MHzから1,333MHzにアップしたことが関係している。ちなみに新11インチの下位モデルのメモリ搭載量は2.0GBとなっているが、OS X Lionの操作でもたつきを感じることはほとんどなかった。Photoshopなどのグラフィックソフトをガシガシ使うのでもないかぎり、メモリ増設をしなくても大きな不満はないはずだ。

もう少しパフォーマンスの差が分かりやすいように、動画のエンコード速度も比較してみた。結果は下表の通りとなっている。

QuickTime X H.264エンコード速度の比較
機種 新11インチ 新13インチ 旧11インチ
CPU Core i5 Core 2 Duo
クロック周波数 1.6GHz 1.7GHz 1.6GHz
メモリ 2.0GB
1,333MHz DDR3
4.0GB
1,333MHz DDR3
4.0GB
1,067MHz DDR3
480p 3分8秒58 2分49秒34 6分56秒45
720p 5分42秒57 4分58秒51 12分9秒90
1080p 9分10秒41 7分52秒35 18分53秒55
※いずれもOS X LionのQuickTime Xを使用。1,920×1,080ドット/H.264/AAC、再生時間4分10秒の映像を、480p/720p/1080pに再エンコードするのにかかった時間を計測した

表を見ても分かるように、新モデルはエンコードにかかる時間が大幅に短縮されている。これなら、動画編集などの負荷のかかる作業も比較的快適に行えるはずだ。