Cypress Semiconductorは、携帯端末のパフォーマンス向上を図るために設計されたUSB 3.0(SuperSpeed USB)向けソリューション「West Bridge Benicia(型番:CYWB0263)」およびモバイルデバイス向けの新しいUSB OTGおよびUSB 2.0ソリューションとして周辺コントローラ「West Bridge Bay」を発表した。2製品はすでに、主要カスタマ向けにサンプル出荷を開始しており、2011年9月までに量産を開始する予定としている。

West Bridgeのコンセプトは、PCのようにプロセッサに複数のチップセットなどを繋げていては携帯機器の小型化、BOMコストの低減などが難しいことから、1チップでそれらのすべてを代替しようというもの

Beniciaは、最適化された「Data transfer Offload Engine(DtOE)」で、モバイルデバイスにおける、従来品比2倍のIOPSスループット、ハイビジョンビデオのストリーミング、最大200MB/秒のマルチメディアコンテンツのサイドローディング、充電電流を最大900mAまで増加させたことによるバッテリ充電時間の半減を実現する。

また、周辺装置、メモリ、およびプロセッサ間で複数の独立した経路を管理し、最大のデータ スループットを実現する、同社の第2世代「Simultaneous Link to Independent Multimedia(SLIM II:独立したマルチメディアへの同時リンク)」アーキテクチャを採用しており、頻繁なメモリアクセスを必要とする起動、ページの読み込み、アプリケーション間の切り替え、その他のタスクで、デバイスのパフォーマンスが向上できるようになっている。

さらに、SD 3.0(UHS-I対応SDXC)やe-MMC4.4xなどの最新マスストレージ規格に対応しており、高速なデータアクセスと大容量記録が可能だ。加えて、外部の電源管理デバイスを必要とせずに充電器やアクセサリの検出が可能になる、同社の最新世代の「EZ-Dtect」機能も搭載している。

一方のBayコントローラは、USB 3.0機能を搭載していないデバイスに、Beniciaと同じ利点である、SD 3.0やe-MMC4.4xへの対応、EZ-Dtect機能、SLIM IIアーキテクチャを提供するデバイス。

携帯端末の内蔵アプリケーションプロセッサに対するデータ転送コプロセッサとして機能するため、データ集約型の処理からプロセッサを解放することができるようになる。ARM9プロセッサコアを採用しており、低消費電力オーディオコプロセッサとして機能することも可能である。