十分な結果が出ているのにまだ何かが引っかかるもどかしさ

今回オーバークロックを行ってみたわけだが、倍率変更によるオーバークロックでも、スコアに関してはリニアに上昇するから、オーバークロック自体の楽しさは消えていない。しかも135%の向上を見せているのだがら、ある程度オーバークロックの醍醐味を体感することができると言って間違いない。

ただし、一方でBCLKをいじれないことで、従来のオーバークロックにあった「組み合わせの楽しみ」を失っていることは事実だ。今回成功している50倍と、失敗している51倍の間には100MHzあり、実際にはその中間あたりに今回の玉(CPU)とマザーの限界があると睨んでいる。しかしBCLKが封じられてはそれにチャレンジすることは叶わない。

こうした情況のなか、オーバークロッカーの視線は「次のチップセット」へと移ってきている。Intelとしては内部オシレーターによってコストダウンが実現すると主張するが、わざわざ高価なオーバークロック用マザーボードを選ぶユーザー層からすれば多少のコストは正直なところどうでも良い話。GPU(内のQuick Synac Video)を使いつつオーバークロックも楽しめる製品が欲しい、というニーズについては、Intelの関係者も将来の製品においては含みを持たせた発言を行っている。このままBCLKによるオーバークロックは廃れてしまうのか、それともこうしたユーザーのニーズを再び拾いあげるのか、将来の製品についても、期待せずにはいられないだろう。