Sandy Bridge世代のCoreプロセッサのパフォーマンス

本製品は今年1月に発表されたSandy Bridge世代のCoreプロセッサを採用。標準(店頭)モデルの主な仕様は、Intel Core i5-2410M、チップセットはMobile Intel HM65 Express、メモリはDDR3-1066を4GB(2GB×2)、GPUはAMD Radeon HD 6470M、500GB HDDといったところ。

このスペックにおけるベンチマーク結果は以下のとおり。印象としては、Hyper-Threadingが有効化されてCore i5-2410Mでは、デュアルコアながら4スレッド同時実行ができることでCPUの性能が高めであることが一つ。もう一つは、内蔵グラフィックスを用いずにRadeon HD 6470Mを搭載することでグラフィックス性能がわりと高めであることが本製品のポイントといえる。

■PCMark Vantage
PCMark 5824
Memories 4030
TV and Movies 3671
Gaming 4888
Music 6061
Communications 5743
Productivity 4960
HDD 3286
■PCMark05
PCMark 7402
CPU 8051
Memory 6869
Graphics 6002
HDD 5543
3DMark06 (1366×768ドット)
Overall 4936
SM2.0 1678
HDR/SM3.0 2026
CPU 3162
Vana'diel Bench 3
High 6589

ちなみに、各種スペックはVAIOオーナーメードモデルによるカスタマイズ購入も可能だ。CPUであれば、Core i5-2510Mのほか、Core i7-2620M、Core i5-2540Mといった上位モデルのほか、Core i3-2310Mを選ぶことでコストを抑えることもできる。メモリは2GB×2という標準スペックのほか2GB×1/4GB+2GB/4GB×2を選択可能。HDDは標準500GB(5400rpm)のほか750GB/640GB(7200rpm)/640GB(5400rpm)/500GB(7200rpm)/320GBを選ぶことができる。こうしたスペックの柔軟性は、幅広い層をターゲットとした本製品にとって意義が大きい。

本体裏面。メモリは標準で2GB×2、HDDは5400rpmの500GB製品を搭載。これらはVAIOオーナーメードでカスタマイズ可能だ

このほか、オーナーメードモデルにおいてぜひ検討したいのが液晶パネルの交換と、グラフィックス機能の強化だ。液晶ディスプレイは標準では1366×768ドットとなるが、VAIOオーナーメードモデルではフルHDの1920×1080ドットのパネルを選択することができる。15.5型クラスの製品でフルHDになると文字が小さいと感じる人もいるだろうが、高解像度液晶の使い勝手はそれを補って余りある価値がある。文字サイズはWindows上から調整も可能なので、予算に余裕があればぜひ高解像度化したいところだ。

グラフィックス機能の強化については、単にGPUを載せ替えるという意味ではない。VAIOオーナーメードモデルの場合、標準のRadeon HD 6470Mのほか、上位モデルのRadeon HD 6630Mも選択可能だが、3Dゲームなどを積極的に行わないのであれば6470Mでも十分だと感じる人のほうが多いだろう。

ただ、標準状態では、このRadeon HD 6470Mのみが使える状態となっており、Sandy Bridge対応CPUに内蔵されたGPUは完全に無効化され、使えない状態になっている。しかしながら、VAIOオーナーメードモデルでは、このRadeon HD 6470MとCPU内蔵GPUを切り替えて使う、スイッチャブルグラフィックス化が可能なのである。

スイッチャブルグラフィックス化のメリットは大きく二つある。一つはバッテリ駆動時間の向上だ。先述の標準仕様におけるバッテリ駆動時間は実測で1時間50分14秒(液晶輝度最大でVana'diel Bench 3のLowモードをループさせた場合)となっており、決して長いとはいえない。モバイル製品ではないので、それほどこだわる必要もないが、スイッチャブルグラフィックス化によってCPU内蔵GPU駆動を可能にすれば、これを多少ながら延ばすことができる。寝る前に布団の中で映画を見たい、といったニーズがあるなら便利に感じるだろう。

もう一つのメリットは、CPU内蔵GPUが持つメディアアクセラレーション機能「Intel QuickSync Video」を利用可能になることだ。QuickSync Videoでは動画のエンコードなどをGPUで処理させることで、非常に高速な処理が可能になる。Radeon HD 6470MでもこうしたGPU処理を行うことが可能だが、QuickSync Video対応アプリケーションが増加傾向にあり、どちらも使えるということがメリットにつながるのである。

バッテリは10.8V/4000mAhの「VGP-BPS26」を標準装備。オプションで5,300mAhの「VGP-BPS26A」、7,950mAhの「VGP-BPL26」も発売される

付属のACアダプタ

斬新とも奇抜ともいえるデザインが特徴の新VAIO C。だが、USB 3.0という新しいインタフェース、Sandy Bridgeという新しいプラットフォームといった、新世代の技術もしっかり盛り込んできており、単に見た目の新しさだけではない製品だ。

ただ、魅力はやはり、その新しさにあるだろう。新しいインタフェースを内蔵していること、新しいプラットフォームで性能が飛躍的に向上すること、今までのPCにはないデザインを求める人。こうした購入の動機になるであろうさまざまな欲求に応える製品といえるのではないだろうか。

■試用機の仕様
製品名 VAIO C
CPU Intel Core i7-2410M(2.30GHz)
チップセット Mobile Intel HM65 Express
メモリ 4GB(2GB×2)
HDD 500GB
光学ドライブ ブルーレイ(DVDスーパーマルチ機能付)
グラフィックス AMD Radeon HD 6470M 512MB
ディスプレイ 15.5型WXGA(1366×768)液晶
ネットワーク IEEE802.11b/g/n、GigabitEthernet、Bluetooth 2.1+EDR
インタフェース USB 3.0×1、USB 2.0×3、HDMI×1、D-Sub×1、ヘッドホン出力、マイク入力、メモリカードスロット、31万画素Webカメラ
サイズ/重量 約W375.1×D250.9×H31.3~39.6mm/約2.85kg
OS Windows 7 Home Premium(64bit)
バッテリ駆動時間 約3.5時間(標準バッテリパック装着時)
店頭予想価格 160,000円前後