ルネサス エレクトロニクスは11月26日、携帯マルチメディア・プレーヤーや電子ブック、ネットテレビなどに向けて、映像や音声データの再生を1チップで実現するモバイルAV機器向けシステムLSI「EMMA Mobile EV0-D」を開発、2011年4月よりサンプル出荷を開始することを発表した。また、DRAMを搭載しない「EMMA Mobile EV0-S」も同時にサンプル出荷を開始する予定で、サンプル価格はEMMA Mobile EV0-Dが3,000円、EMMA Mobile EV0-Sが2,500円となっており、量産は2011年10月から開始、2品種合計で月産100万個を計画している。

モバイルAV機器向けシステムLSI「EMMA Mobile EV0-D」

2製品ともに、ARMのプロセッサコア「Cortex-A9」を搭載し、MPEG-2、MPEG-4やH.264のハイビジョン(1920×1080画素)ビデオ再生に必要な機能を1チップに集積した「EMMA Mobile EV」シリーズの製品で、システム設計の最適化を行うことで、パッケージサイズを従来の16mm×16mmから9mm×9mmへ約1/3程度小型化するとともに、DRAMを1パッケージ内に封入したためモバイルAV機器などの応用製品の小型化に加え、DRAM間の高速インタフェース設計が不要となるため基板設計の容易化にも貢献できるようになっている。

なお、同社では同製品を採用することで、より多機能・高性能なモバイルAV機器や電子ブックをはじめとする組み込みシステムを、短期間かつ低コストで実現可能となるとしている。