続いては、おまかせチャンネル機能だ。数多くの楽曲をプレーヤーに保存していても、いつも、決まった曲、あるいは同じアルバムばかり聴いている、ということがよくある。たまには違った曲もと、シャッフル機能を利用しても、イメージと違う曲が流れ、また元に戻ってしまうということも少なくない。おまかせチャンネル機能は、ウォークマンに保存されている楽曲を「時間帯によるおすすめ」「全曲シャッフル」「アクティブ」「リラックス」「アップビート」「メロウ」「エモーショナル」「ダンスフロア」「エクストリーム」といったチャンネルに(全曲シャッフルはチャンネルではないが)分類し、それぞれのチャンネルを選択すると、そのなかでシャッフル再生を行うというものだ。あまり聴いていないアルバムの中に、面白い曲が隠れているのを発見できるかも知れない。なお、楽曲のチャンネルごとの分類は、リッピング時のタグやデータベースなどによるものではなく、ウォークマン側で曲を解析することで行われる。新しい曲を転送したら、おすすめチャンネルで「OPTION」ボタンを押して「チャンネルを更新」を選択。すると、自動的に曲の解析を行い、チャンネルへの振り分けが行われる。

チャンネル内の楽曲をシャッフル再生する「おまかせチャンネル」

ついでなので、楽曲の転送についても触れておく。ウォークマンには、「x-アプリ」という、専用の楽曲管理ソフトが付属している。x-アプリは、CDからのリッピングや、楽曲の転送、歌詞ピタ用の歌詞データのダウンロード/転送、ポッドキャストのダウンロード/転送、ビデオ/写真の転送などを行うことができるソフトだ。しかし、すでにPCにライブラリーを構築していて、もう一度リッピングしなおすのは面倒、または、音楽配信サイトで購入した楽曲などというケースもある。そういった場合、x-アプリを使用しないで、普通にファイルをドラッグアンドドロップするだけでも、楽曲の転送を行うことができる。楽曲のファイルをウォークマンの「MUSIC」フォルダーの下にコピーすればOKだ。ただし、CDから取り込んだ環境によっては、ウォークマンに転送した際に、曲情報が表示されないというケースもある。このような場合、ドックコンポがあれば、ドックコンポ内のデータベースによって、曲情報を付け直すことも可能だが、ウォークマン単体では、多分不可能だろう。なお、WindowsMediaPlayerでMP3形式でリッピングした楽曲は、アルバム名は表示されるが、やはりジャケット写真は表示されないようだ。また、リッピングは既存のツールで行って、転送にだけx-アプリを使用するという方法もある。既存のライブラリへのジャケット写真の追加は、x-アプリ上でも可能だ。なお、今回使用したx-アプリのバージョンは、1.1.1.16270で、x-アプリ 2の新機能については試していない。

「MUSIC」フォルダにファイルコピーすれば、楽曲を転送することができる

ただし、取り込んだ際の形式などにより、楽曲情報が転送されないケースも

WindowsMediaPlayerで取り込んだ場合、楽曲情報は転送される

カラオケの設定などは「音楽設定」の中に

先ほど、ノイズキャンセルの部分でも少し触れたが、新Sシリーズのメニューでは、各アイコンの下にあるのは、音楽を聴く、ビデオを再生する、ノイズキャンセルを有効にするといった、その機能を使用するための項目のみだ。それ以外の項目、例えば、音楽を聴く際に、音質を変更するイコライザーを使うといった操作は、各種設定の「音楽設定」のなかで行う(音楽再生時に「OPTION」ボタンを押して表示されるメニューから行うことも可能だ)。新Sシリーズの特徴のひとつであるカラオケ機能に関しても、やはり、設定はこの音楽設定から行う。カラオケ機能は、ボーカルカットと、キーコントロール機能。ボーカルカット機能は、楽曲のセンターに位置しているボーカルの音量のみを下げるというもので、効果強と効果弱とを選ぶことができるが、効果を強にしても、完全にボーカルが消えるというわけではない。カラオケの練習のためには、この方が好都合なのだろう。また、強弱どちらかのカラオケ機能を使用できるようにしていると、音楽再生時に上下の方向キーで、キーの高さを変えることが可能になる。なお、歌詞表示に関する設定は、同じ音楽設定の中の「歌詞表示」にある。

カラオケ機能や歌詞表示の設定は、「音楽設定」の中にある

カラオケと歌詞表示をオンにした状態。上下の方向キーで、キーコントロールが可能

そのほかの機能

初めの方でも触れたが、Sシリーズには、プリセット付きのFMラジオ機能も搭載されている。人によっては、使用頻度の高い機能だろう。プリセットは、手間が少ないオートプリセットが便利だ。その場所で受信可能な放送局を自動的にサーチしてくれる。また、プリセットの際には、スキャン感度を、高/低の2段階から選ぶことができる。ここで低を選んでおくと、信号が弱くて受信状態の悪い放送局をパスしてくれるので、実情に近いプリセットが可能だ。

プリセット機能付きのFMラジオも搭載

スキャン感度で「弱」を選んでおくと、キレイに受信できる局のみをプリセットしてくれる

もちろん、写真やビデオの表示にも対応している。写真も、音楽ファイルと同様に、PCから普通にドラッグアンドドロップしてコピーすることが可能だ。写真のコピー先は、「DCIM」フォルダ。サムネイルを選択すると、全画面表示になる。ビデオも、ファイルコピーで、ウォークマンで利用でできる。WMV形式などにも対応しているが、ビットレートや解像度などに制限があるため、x-アプリでの転送のほうが手間が少ない。また、同社のレコーダーのお出かけ転送を利用すると、自動的にウォークマンに適したファイルフォーマットで転送される。

ホームメニューで「ビデオ」を選ぶと、「全てのビデオ」「ジャンル」「お出かけ転送など」「VIDEO」の4つの項目が表示される

「全てのビデオ」を選んだところ。ビデオのサムネイルが表示される

2.0型の小さな画面だが視認性は悪くない