Texas Instruments(TI)は、ミッドエンドからハイエンドの医療用超音波診断装置向けに、CW(連続波)ドップラー・ミキサを内蔵したAFE(アナログ・フロントエンド)製品「AFE5807」「AFE5808」を発表した。いずれもすでにサンプル出荷を開始しており、1000個受注時の価格(参考価格)で5807が62ドル、5808が68ドルとなっている。

アナログ・フロントエンド製品「AFE5807」「AFE5808」のパッケージイメージ

2製品ともに、CWドップラー・ミキサおよびサミング・アンプを集積していることから、2.5MHzの搬送波から1kHzの近接位相ノイズが-155dBc/Hzと低く、CWビーム・フォーミングの設計が容易となる。

また、24/18/12dBのゲイン設定が可能なLNA(ローノイズ・アンプ)を内蔵していることから、0.25/0.5/1Vppのリニア入力範囲を実現可能。また50/100/200/400Ωのアクティブ終端を内蔵していることから、異なるクラスのトランスデューサで、一定範囲の入力振幅をサポートすることができる。

さらに、VCA(電圧制御アッテネータ)および、PGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)を内蔵、最高54dBの総合ゲインを提供することから、より高いダイナミック・レンジの提供が可能なほか、10/15/20/30MHzの帯域幅を選択可能な3次の直線位相LPF(ローパス・フィルタ)を内蔵している。加えて、さまざまな画像診断モードに対応して消費電力と性能を最適化できる、プログラマブル・モードも搭載されている。

AFE5807は、1.1nV/√Hz、40MSps、12ビットのサンプリング動作時に88mW/チャネルの消費電力特性を実現しており、一方のAFE5808は、0.75nV/√Hzとローノイズに最適化され、149mW/チャネル、65MSpsの性能を提供する製品となっており、14ビットのA/Dコンバータを内蔵し、77dBFSのSNR(信号-雑音比)を実現している。