Windows版「ロストプラネット2」はディスプレースメントマッピングも採用
この他、ロストプラネット2では、テッセレーションステージを効果的に活用すべく、ディスプレースメントマッピングの導入に挑戦している。
ディスプレースメントマッピングとは、端的にいうと、3Dモデルに対し、追加のディテールを付加するテクニックになる。そのディテール表現の元になるのは、凹凸情報を記載したハイトマップテクスチャで、いわばテクスチャの凹凸情報に従って、粘土細工のように3Dモデルを盛ったり削ったりするジオメトリ処理になる。なお、このディスプレースメントマッピングは、テッセレーションステージのハルシェーダによって実現されるものになる。
このディスプレースメントマッピングにおいても、開発チームは、やはりクラック問題に直面することとなった。
これもやはりエッジ付近で起きている。これはエッジ状の同一座標の複数の頂点が、ハイトマップテクスチャの微妙に違う箇所をサンプルしてしまうことで起きている。
これについても、テッセレーションステージでの工夫のように、踏み込んだ対処も出来たはずなのだが、ロストプラネット2では費用対効果に配慮し、不連続なUV情報(3Dモデルとテクスチャマップの対応情報)が不連続な箇所においては、ディスプレースメントマッピングを局所的にキャンセルするという対処方法が取られた。
そもそも、ロストプラネット2で、ディスプレースメントマッピングの適用先として選択されたボスキャラは、既にハイポリゴンでモデリングされており、さらに、ディテール表現が法線マップで表現されているため、ディスプレースメントマッピングの効果が分かりにくいのだ。このため、ロストプラネット2では、ディスプレースメントマッピングは、やや消極的な活用に留められたようだ。