本製品を使用して第一の印象は、「ストレスフリー」ということ。それもそのはず、CPUには4コア8スレッドのIntel Core i7が搭載され、グラフィックスチップはDirectX 11に対応したATI Mobility Radeon HD 5650が採用されている。今回の試用機は、メモリ8GB搭載モデルのため、アプリケーションを多数起動してもかなり快適に操作できた。たとえば、動画を鑑賞しながらWebサーフィンを楽しむといった「ながら族」ユーザーには、この性能の恩恵を存分に受けられるのではないだろうか。

また、ストレージにインテル製SSDが採用されていることも「ストレスフリー」に大きく貢献しており、起動時に大量のデータファイルを読み込むようなWindows起動時や、PCゲーム起動時などでは、立ち上がりの速さを体感できる。正確な比較とはならないが、デジカメ画像が保存されたSDメモリーカードを本体のスロットに差し込み、SSDのCドライブとUSB 2.0対応の2.5インチ外付けハードディスクにコピーをする速度をそれぞれ計測したところ、SSDの場合、画像ファイル100枚をコピーする時間は約53秒だったのに対し、ハードディスクの場合約87秒かかった。USBの転送速度やハードディスクの種類によって速度は変わってしまうが、それらを考慮してもかなり速いコピー速度ではないだろうか。またSSDの場合、レジューム復帰やハイバネーション時に速さを感じられる。とくにハイバネーション時には、数百メガ単位でファイルの書き込みが行われるため、SSDの利点が存分に発揮されている。それ以外にもハードディスクのように回転するような部品がないため発熱が少なく、静音化にも一役買っている。

ちなみにHPが公表しているベンチマークでは、500GBのハードディスクと160GBのSSDの読み込みスピードを比較した場合、SSDのほうが約2.5倍高速となっている。しかし、ユーザーによっては160GBでは容量が足りないという人もいるかもしれない。そんな人のためにオンラインストアHP Directplusで購入する場合は、ストレージを変更することが可能。500GBのハードディスクに変更することもできるので、容量重視の人はこちらを選択するといいだろう。光学ドライブについては、試用機にはBlu-ray対応ドライブが装備されていたため、Blu-rayビデオの鑑賞も可能と、エンターテインメントPCとしては文句なしの構成となっていた。こちらもHP Directplusで購入する場合はDVDドライブに変更することが可能なので、用途に合わせた選択をするといいだろう。

一般的な使い方をしているかぎり、性能の高さ故に不満点が見つからないため、ベンチマークテストを行い、数値による性能評価を行ってみた。

■3DMark06

3DMark 7660
SM2.0 Score 2717
HDR/SM3.0 Score 3381
CPU Score 3152

■Vana'diel Bench 3

High 6171
Low 8810

■CrystalDiskMark 2.2(Test Size100MB)

Sequential Read 242.525 MB/s
Sequential Write 108.806 MB/s
Random Read 512KB 170.190 MB/s
Random Write 512KB 104.129 MB/s
Random Read 4KB 13.921 MB/s
Random Write 4KB 21.130 MB/s

ベンチマーク結果は以上のとおり。ノートPCでありながら3DMark06の結果が7000を超えているあたりは、ハードコアな3D系ゲームではなく一般的なPCゲームであれば問題なくプレイできると考えていいのではないだろうか。また、SSDの速さを測るべく、CrystalDiskMark 2.2を使用してベンチマーク測定を行った。Sequential Readの値は非常に高く、それ以外もかなり高速だという結果が出ている。このことからも、画像ファイルなどのキャッシュが頻繁に行われるWebサーフィンや、データの転送が多いメールの送受信など、ストレージデバイスが関わってくるオペレーションについてはSSDの優位性が大いに発揮されるはずだ。

PCの基本的な性能の表示を開いたところ。エクスペリエン スインデックスは性能の一番低い数値が表示されるので、6.7ということはすべてにおいて性能が高いということがわかる

タスクマネージャーでパフォーマンスを表示したところ。物理コアは4つだが、ハイパースレッディングテクノロジーの仮想コアにより8つと判断されている