ケース内温度をちょこっとテスト計測

水冷のキモである、冷却性能についても見てみよう。まず、普通にしばらく使ってみたが、ケース外装のどこを触っても特に暖かさを感じる部分はなかった。背面と上部の排気は、使い始めと比較すればわずかに「ぬるく」なったようには感じられるものの、暖かいと言えるほどではない。これはいくら使い続けても変化が見られなかった。

水冷ユニット「Corsair CWCH50-1」

手持ちのアルコール温度計による簡単な計測だが、温度も測ってみた。7月の東京でエアコンを使い、室温を28度とした環境での計測だ。使用したのはアルコール温度計。内部はHDDのケーブルを利用して、CPU横に温度計をつるして計測した。

試用機に搭載されたグラフィックスカードは空冷の製品だった

動作状況を確保するためにFF XIV BenchをHIGHモードでループさせた。1時間動作させ続けた結果、ケース内部温度は34.5度で、室温から6.5度の上昇で収まっている。CPUやグラフィックスカード近くに手をかざしてみると、不快に熱いというほどではなく、確かに暖かいな、と判断できる程度だ。エアフローが効果的に働いているためか、ケース前面から背面と上部に向けての空気の流れを感じることができる。庫内温度が上がりすぎてしまうと、いくら空気が流れても冷やしたい物に向かって温風を吹き付けている状態になってしまい、十分な冷却効果を得ることができないが、この温度ならばしっかりと冷やしてもらえるだろう。

ケース内部温度はCPU近くにアルコール温度計をつり下げて閉じ込み、計測した

排気温度も計測してみた。今回は上部に大きく口をあけているファンからの排気温度を測るために、上空約5cmの位置に温度計をつるした。同じく1時間ほど動作させてからの計測で、31度という結果になった。室温からは3度高いことになるが、風が吹いているため、かざした手は涼しく感じる。これならば、足下に設置した結果、机下がこたつのように暖かくなってしまうこともなく、デスクサイドに設置したせいでユーザーに向かって熱風が吹き付けるということもない。むしろ、ちょっとしたサーキュレーターのような効果が期待できるのではないかと思うほど夏の室内環境ではこの風が心地よい。

ケース上部の大口径ファンの出口。この上空で排気温度を計測した

十分な排気を確保するため上部にあまり余裕のない机下ではなく、デスクサイドに設置する形の方がよさそうだ。大口径ファンではあるが、吹き出す風が特に強いわけではなく、上空30cm程度離れればはっきりと風を感じることもないため、利用中に不快になることはあまりなさそうだ。