静音設計ケースのおかげもあり駆動音はかなり静か

今回試用したモデルはグラフィックス機能として比較的強力なATI Radeon HD 5670を採用し、ストレージにHDDも搭載しているため、水冷クーラーを使っているからといって全体的にはモーター音がどうしてもする構造になっている筈だ。最近では空冷用のファンもかなり改善されて静音化が進んでいるため、CPUファンだけを水冷にしても音という面での大きな効果は感じづらいのだが、それでも試用機は非常に静かだと感じられた。これはケース構造の恩恵だろう。

本製品のケースは元々静音を強く意識して作られたもののようで、ケースの梁にはノイズ防音シートを備えており、ケースのサイドパネルにもアルミ+プラスチック+アルミという3層構造を採用することで遮音性を高めている。サイドパネルを実際にはずして見ると、共振しづらい、たわみのないしっかりした感触があった。ケース本体へのつけ外しもスムーズで、がたつきはない。また、サイドパネル内側にはさらに吸音材が貼り付けられていた。

3層構造のサイドパネル内側には、さらに吸音材が貼り付けられている

取り付けられた内部部品からの振動を拾わない工夫もしっかりされている。HDDなどを取り付けるケージと本体の間はシリコングロメットが入っており、電源取り付け部にもシリコンゴムのマウントが備えられている。ケース外側の足部分も、大型のシリコングリップだ。

ツールレスで引き出せる各種ベイの取り付け部や、ケースの梁部分でも静音化が図られている

ケース底部の足もシリコングリップ製だ

さらなる静音を目指すならば、BTOオプションでファンレスのグラフィックスカードやSSDを選択することで追求できる。サイコムには静音に特価したモデルとして「Silent-Master」シリーズも存在するが、今回の「Aqua-Master H55」は、冷却能力に優れる水冷を使いつつ、さらに静音にも妥協せず取り組みたいというユーザーが納得できるマシンになっている。