Tech Fieldersリニューアル、一体何が変わったのか?

エンジニアのコミュニティ活動を活性化するためにマイクロソフトで手伝えることはないか――そのような視点で同社の取り組みについて簡単に紹介したのが、青野氏に続いて登壇した高添氏だ。

高添氏は、まず、Tech FieldersのWebサイトを紹介。「マイクロソフトとエンジニア個人との間の関係を点から面に変えるためのWebサイト」(高添氏)として立ち上げたという背景を説明したうえで、現場目線の情報拡充/配信というテーマの下、利用事例やコラム、セミナー資料を提供するサイトとしてリニューアルしたことに触れた。

Tech FieldersのWebサイト

リニューアルの大きなポイントとして挙げられたのは、「とにかく資料を出す」、「コンテンツと人を浮かび上がらせる」、「活動に参加してもらう」の3点。

1つ目の「資料を出す」という点に関しては、これまで同様、セミナー資料や勉強会キットを提供していくことに加えて、Webサイト上部のナビゲーションメニューの下に旬のキーワードを配置。各キーワードをクリックすることで、セミナー情報や関連サイトの情報も含め、資料や技術情報がまとめて表示されるようにした。

2つ目の「コンテンツと人を浮かび上がらせる」については、Webサイト右上に「メンバーを探す」というボタンを配置。こちらをクリックすると、Tech Fieldersのコラム執筆者、セミナー登壇者、ライトニングトーク3回以上の登壇者が一覧形式で表示され、各人のプロフィールやブログに飛べるようになっている。

Tech Fieldersの「メンバーを探す」ページ

そして、最後の「活動に参加してもらう」に関しては、「活動に参加」というナビゲーションメニューを用意して現在参加できる活動を明示。さらに、「メールで問い合わせる」、「応募する」などのボタンを設置し、アクションがとりやすい環境も整えたという。

特に最後の「活動に参加してもらう」という点については力を入れて推進しているようだ。高添氏は、「日本では製品情報の不足という事象に対して、メーカーを全否定する意見と不満がぶつけられて終わりだが、世界では情報不足をチャンスと捉えて、それを利用して名前を売ったり、ビジネスを始めたりする」とコメント。続けて、「当然、情報不足に対しては反省し、極力情報を提供するよう努めているが、皆さんにはそこにチャンスがあるということを認識し、周囲にも教えてあげてほしい」(高添氏)と語った。

そうした活動の一環して、8月25日から開催される「Tech・Ed 2010」では、毎年恒例の「ライトニングトーク」が実施されるという。高添氏は「すでにマイクロソフトのWebサイトにて募集中なので、ぜひ積極的に応募してほしい」と参加を促した。

8月25日から開催される「Tech・Ed 2010」でも「ライトニングトーク」を実施

ぐるぐるマインドマップで和やかに悩み相談

加子勝茂氏

「Tech Fieldersの集い 2010 初夏」は、加子勝茂氏によるハンズオンセッション「ぐるぐるマインドマップ」で締め括られた。

ぐるぐるマインドマップとは、「複数人で人数分のマインドマップを、一定時間で区切って、ぐるぐると手渡しながら書いていく」(加子氏)というもの。タイムキーパーの役割を兼ねたファシリテーターを1人置き、その進行に従ってマインドマップの作成を行っていく。

ポイントは、時間を区切ることと、ぐるぐると回していくこと。時間を区切ることで「夏休みの最終日的な集中力を引き出す」(加子氏)うえ、複数人でぐるぐると回すとことで、いろんなテーマを考えることになり、「発想が飽和状態になるのを防げる」(加子氏)という。

今回のセミナーでは、6人のグループで「自己紹介用のマインドマップ」と「質問に対する回答を記入するマインドマップ」の2種類を作成するグループワークが行われた。

前者は、6人のメンバーが順番に質問を挙げ、それに対する回答を自身のマインドマップに書き込んでいくというもの。完成後は、できあがったマインドマップを回し読みし、各人の回答を参考にしながらそれぞれのキャラクターを読み取っていた。

一方、後者のグループワークでは、まず、各メンバーが質問項目とそれに関連するキーワードをメインブランチに記入。それを順番に回して続きを記入していき、全員で1つ(×6人分)のマインドマップを完成させていった。

6人組でマインドマップをぐるぐる回しながら作成

このハンズオンセッションでは、ファシリテーターを務めた加子氏により、作業を楽しくするための工夫が随所に織り込まれていた。例えば、マインドマップを回す際には「ぐるぐる」という掛け声を掛けることを強制した。「参加者全員で声を出すことで一体感が高まる」(加子氏)とのねらいからだが、発声時にはメンバー全員が笑顔になっていた。

また、質問の順番を決める際には、スタートにふさわしい人を「せーの」で一斉に指差して多数決で決めるという方法を採用。理由もなく特定の人を指すという行為に、戸惑い照れながらも、自然と笑顔を浮かべていた。

できあがったマインドマップを手にする参加者

なお、今回のグループワークでは、時間の都合で6人を1周させたところで終わりにしていたが、加子氏によると「本来は2周させるのが良い」という。その理由としては「1周だけだと、自分よりも後の人が書き込んだ意見を見る機会がない。他の人の意見を見ると、そこから発想が大きく広がることがあるため、フィードバックが充実する」(加子氏)ことを挙げていた。

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いかがだっただろうか。非常に駆け足でのレポートになったが、「Tech Fieldersの集い 2010 初夏」が非常に和やかな雰囲気の中で行われ、それでいて学習効果も高く、モチベーション向上などにつながることがおかわかりいただけたはずだ。

全セッション終了後には懇親会が開催されるなど、参加者同士の絆を深める場も提供されていた。

参加費無料というのが信じ難い充実ぶり。上を目指すのであれば、こうしたセミナーを活用しない手はないだろう。

セッション終了後には懇親会も開催。プレゼント大会も行われた