iPhone 4では新しいOS「iOS 4」が搭載されている。すでにiPhone 3GS、3Gのアップデートをして試しているユーザーも多いことだろう。

iOS 4を使っていて便利だと感じるのが、フォルダ管理だ。これまで画面に大量に並んでいたアイコンをまとめて整理できるのはありがたい。しかも、フォルダを作るのはアイコンを重ね合わせるだけでいい。この操作性はかなり簡便でアップルらしさを感じるところだ。

もうひとつ、iOS 4になって期待したいのがマルチタスク機能だ。これまでいちいちアプリを終了させなくてはいけなかったが、マルチタスクに対応したことで、アプリを起動させたまま、他のアプリに移行できるようになった。現在のところ、標準アプリは対応しているのだが、AppStoreで配布されているようなアプリに関しては、いまだiOS 4対応になっていないのがほとんどだ。そのため、ゲームなどをやっている途中にマルチタスクで他のアプリに移行すると、はじめからゲームをやり直さなくてはならないモノも多い。このあたりは一刻も早く、アプリ側にも対応してもらいたいところと言える。

iOS4により、アイコンをフォルダで扱えるようになった。1つのフォルダに最大12個を保存できる

ホームボタンを2回押すとマルチタスクとして他の機能を起動できる

フォルダを作成

iPhone 4とiOS 4を組み合わせて、最も「良いかも」と思ったのが「iBooks」アプリだ。すでにiPad向けに提供されているが、iOS 4の配布に合わせて、iPhone向けにもiBooksアプリが提供された。

電子書籍ビューワーであるが、残念ながら、日本のストアにおいては著作権的に問題の無い無料の書籍しか配布されていない。このため、電子書籍ビューワーとしてのポテンシャルを最大限発揮しているとは言い難い。

iBooksアプリを起動

しかし、iBooksでは、このバージョンからPDFファイルの閲覧に対応するようになった。これがいいのだ。メールに添付されているPDFファイルを開く際に、iBooksアプリで開けば、自動的にアプリの本棚に保存されるようになる。また、PCやMacのiTunesの「ブック」という項目にPDFファイルをドラッグすれば、同期した際にiPhone側にコピーされるようになる。

これまで、iPhoneでPDFファイルを保存しておくには、なにかしらのアプリが必要だった。しかし、iBooksにより、アップル純正のアプリで対応し、iTunesと連携するようになったのはかなり便利だ。

iPhone 4で使えばディスプレイが高精細であるため、PDFファイルの文字や写真もとってもキレイで見やすい。このディスプレイの優位性は3GSや3Gではやはり体感できないものといえるだろう。

iOS 4では、ほかにも複数のメールアカウントを同時に閲覧が可能。さらに文字入力では、顔文字の入力キーが登場したり、ユーザー辞書の編集、登録が可能になっている。これまで「あれば便利なんだけど……」と不満に思っていたり、別のアプリとして提供されていたものが、標準機能として搭載されるようになっている(カメラのズーム機能もそうだ)。まさに「かゆいところに手が届く」細かな配慮が行き届いていると言えるのだ。

「ビデオ通話やHD撮影なんて興味ない」という人であればiPhone 3GSをiOS 4にアップデートするだけでもいいのかも知れない。しかし、iPhone 4を一度、手にしてしまったら最後。魅惑的なデザイン、高級感の触り心地、美しすぎる液晶にココロを奪われてしまうことだろう。

世界の携帯電話市場で「一人勝ち」を続けるiPhoneであるが、6月24日より発売されるiPhone 4は間違いなく「一目惚れ」してしまうインパクトを持っているのだ。