<自然言語検索を使用する>の有無とは

Windows 7のフォルダオプションダイアログの<検索>タブには、<自然言語検索を使用する>という項目が用意されています。初期状態では無効になっているため、同機能を意識したことがない方が大半ではないでしょうか。本機能は文字どおり、人間らしい文書を元に検索するというもので、今回紹介したブールフィルタや検索フィルタ、AQSで使用してきたキーワードや記号を使用せず、自然な文書で検索を行なうというものです。

例えば「kind:アーティスト:(高橋幸宏 OR 坂本龍一)」と実行した場合、アーティストタグに「高橋幸宏」もしくは「坂本龍一」の情報を持つファイルを検索するとなりますが、自然言語検索機能を有効にした場合、「アーティスト 高橋幸宏 or 坂本龍一」でほぼ同等の検索結果を得られるというもの(図25~28)。

図25 検索ボックスに「更新日時:<2010/01/01」と入力すれば、2009年以前のファイルを検索できますが、IMEを有効する手間が入るため、AQSのメリットは薄くなります

図26 検索ボックス「kind:アーティスト:(高橋幸宏 OR 坂本龍一)」と入力しますと、ファイルのアーティストタグに同名を持つファイルのみ列挙されます

図27 フォルダオプションダイアログを起動し、<検索>タブにある<自然言語検索を使用する>をチェックして<OK>ボタンをクリックしてください

図28 設定を終えた状態で「アーティスト 高橋幸宏 or 坂本龍一」と入力しますと、図01とほぼ同等の検索結果を得ることができます

図29 ちなみに<自然言語検索を使用する>が無効な状態で、図27の検索を実行してもヒットするファイルは存在しません

一見すると便利ですが、ここでも日本語版の弊害が発生しています。そもそもWindows 7で使用される自然言語エンジンはキーワードの検索を行なうと同時に前置詞をフィルタ処理し、接続詞を処理する仕組み。これらに一致しない文字列はプロパティやタグとして評価されます。

先の例で言えば「アーティスト高橋幸宏か坂本龍一」となりますが、筆者が述べるまでもなく英語に比べて日本語は文法が複雑なため、前述のようなシステムでは誤動作を起こしかねません。極論ですが日本語環境で自然言語検索機能を活用することは難しいため、ブールフィルタや検索フィルタ、AQSの一部を併用した方が、スムーズにファイル検索を行なえることでしょう。

阿久津良和(Cactus)