「Speed Complete BOX」でSSDマシンをパフォーマンスアップ!

前回の記事のとおり、Windows 7はSSDをサポートしている。同OSがコンピュータからSSDを検出すると、「SSD上のドライブは、自動デフラグの対象外」「起動およびアプリケーションプリフェッチの無効化」「Superfetchの無効化」「ReadyBoostおよびReadyDriveの無効化」といった設定が自動的に施されるため、ユーザーはSSDの書き込み回数制限をさほど気にすることなく、高パフォーマンス環境を享受できるのだ。

それでもWindows OSを使い続ける限り、一時ファイルに代表される書き込みを避けることは難しい。この処理はSSDに対してダメージを与えてしまうため、神経質になってしまう方も少なくないだろう。そこでお試し頂きたいのが、「Speed Complete BOX」。EWF書き込みを行なう「SSD革命/Speed Advance Ver.1 Hi-Grade」(以下、SSD革命Speed Advance)と、RAMディスクを作成する「Memory革命/RAM Drive Ver.1」(以下、Memory革命RAM Drive)をセットにしたパッケージだ。

そもそも32ビット版Windows 7には「3GBの壁」と呼ばれる制限が設けられている。これは、チップセットの構成により4GBまで搭載可能ながらも、32ビットOSの制限により3GB弱までしか認識というものだ。もちろんハードウェア構成に問題がなければ、64ビット版Windows OSを用いることで4GB以上のメモリ空間を使用できるが、使用中のハードウェアやソフトウェアの組み合わせにより、32ビット版Windows OSの使用を強いられる場合もある。これではせっかくSSDに換装しても、コンピュータのパフォーマンスを最大限に引き出すのが難しいだろう。

そこで、あまった1GB弱のメモリ領域を最大限に活用する、SSD革命Speed AdvanceとMemory革命RAM Driveの登場となる。同ソフトはホストドライブに対する書き込みを、メモリ上に作成した領域に書き込むことで、パフォーマンスの向上とSSDの保護を実現するというもの。このロジックを実現するのがEWF(Enhanced Write Filter)の存在。保護対象ドライブに対する書き込みをトラップし、HDDもしくはメモリ上に作成した特殊領域に書き込み情報を格納しているため、前述のように一時ファイルの破棄・適用の選択が可能になる。SSD環境の場合、パフォーマンスの差異はあまり発生しないが、書き込み回数を大幅に軽減できるため、SSD自身の寿命を延ばし、精神衛生的にも改善されるだろう(図01)。

図01 「SSD革命Speed Advance」付属のマニュアルから。EWFを用いたロジックが図解でまとめられている

仕組み自身は少々複雑に思うかもしれないが、ユーザーはこのロジックを意識せず、簡単に使用できる。まずはSSD革命Speed Advanceから解説しよう。SSD革命Speed Advanceをインストールしてコンピュータを再起動し、同ソフトを起動すると、OS管理外メモリが自動的に一時ファイルを保存する領域として確保される。この状態で<開始>ボタンをクリックすれば、すぐに使用可能。稼働中はモニターウィンドウがデスクトップに現われ、一時ファイルの使用量が表示される。一時ファイルの使用済み容量が規定値に達すると、コンピュータのシャットダウン・再起動をうながされるが、一時ファイルの使用済み容量が100%になると、強制的にコンピュータが再起動するので注意して欲しい(図02~03)。

図02 メイン画面が表示されたら<開始>ボタンをクリックすることで、

余剰メモリが自動的にメモリ上の一時ファイルに書き出されるようになる

図03 実際の使用量はモニターウィンドウに表示される。

通常は小さいサイズだが、見やすいサイズに切り替えることも可能だ