VAIO P 2010年夏モデルの解像度は1,600×768と、かなり高解像度。しかしながら液晶サイズが小さいため、そのままではフォントやアイコンが小さすぎて画面が見にくいことがある。そのためDPIが、標準の96dpiから120dpiに変更されており、見やすさを重視した設定になっている。またキーボード下部には解像度を1,600×768から1,280,×600に変更できるショートカットボタンがあり、少し大きく表示させたい場合は、ワンボタンで解像度切り替えが可能。そのほか、Internet Explororを起動するWebボタン(電源オフ時に押すとWindowsを起動しなくてもインターネットを楽しめる「Quick Web Access」が起動)や、定期的なメンテナンスやトラブル解決をサポートするアシストボタンが用意されている。細かい部分では、前モデルと比較してスティックポインターやキーボードの打鍵感も変更されている。

解像度はワンボタンで解像度切り替えが可能。細かい文字が多いサイトなどは低解像度に変更して閲覧すると見やすい

Webアクセスやメール、ビジネス用途には十分な性能

VAIO Pの仕様を考えればわかることだが、実際の動作速度に関して劇的な速さを感じられるわけではない。試用したところでは、Webやメール、ビジネス用途には使える印象だが、「Vana'diel Bench 3」などの結果を見る限りホビーユース使用にはスペック不足といった感が否めない。この点については、3Dゲームを遊ぶためにVAIO Pを選ぶというのも考えにくいので、妥当な性能だろう。また「Vana'diel Bench 3」に加え「PCMark05」「3DMark06」でもベンチマークを取ってみたが、試用機であるためあくまで参考程度に留めてほしい(ベンチマークソフト側の問題で数値が出なかったものもある)。

ただ筆者としては、VAIO Pの持ち運びやすさを生かすためにも、VAIO OWNER MADEモデルでの機能強化をオススメしておきたい。VAIO OWNER MADEモデルでは、Intel Atom Z560(2.13GHz)やIntel Atom Z550(2GHz)といった、上位CPUも選択できる(ただしZ560モデルについては6月下旬のお届け予定)。さらにIntel Atom Z560(2.13GHz)をCPUとして選択した場合、チップセットがIntel(R) System Controller Hub US15X Chipsetとなるため、今回の試用機よりグラフィックス性能や動作の向上が体感できるはずだ。

また「b-mobile」対応モデルも選択可能になっている点も触れておこう。「b-mobile Doccica」(サービスエリアはドコモのFOMA回線と同じ)に対応したモデルは、SIMカードをセットにした状態で出荷され、最大6ヵ月間、360分の無料通信権が付属するという、お得なものとなっている。

■PCMark05
PCMark CPU Score Memory Score Graphics Score HDD Score
1025 N/A N/A N/A N/A
■3DMark06
3DMark SM2.0 Score HDR/SM3.0 Score CPU Score
44 30 N/A 461
■Vana'diel Bench 3
High Low
428 739

ハードウェアを活かしたソフトウェアも用意

VAIO Pには、本体の傾きを検知する加速度センサ、ユーザーの向いている方向を検知する地磁気センサ、環境光を測定しディスプレーの輝度を調整する照度センサ、騒がしい場所でも雑音を大幅に抑えてくれるビームフォーミング対応ノイズキャンセル機能付きマイクなど、最新技術が凝縮されているのが特徴。その技術を活かすソフトウェアが搭載されているのも注目ポイントのひとつだ。

デスクトップミニアプリの「VAIO Location Search」は、ワイヤレスLANで位置情報、また地磁気センサでユーザーが向いている方角を取得し、その情報を「Google Map」「Peta Map」と連携させ周辺情報を表示するソフトだ。周辺情報はレストランや駐車場、病院や駅など、様々な情報が表示されるのでカーナビ以上に役に立ち、これこそ「外で使えるPC」にピッタリだ。

周辺情報をまったく知らないまま出かけても、ネット環境さえあれば瞬時にデータを収集できる

モーションセンサが搭載されているため、縦に持つと画面も縦仕様に変更される