米Appleが新しいRIA (Rich Internet Application)フレームワークを開発しているという。これは「Gianduia」と呼ばれ、FlashやSilverlightのように実行のための専用プラグインを必要とせず、Webブラウザの標準技術を使ってMac OS XのCocoa環境を再現することが可能だという。AppleInsiderが7日(米国時間)に報じている

「Gianduia」とは、イタリアのトリノ発祥のチョコレート菓子だ。これはMac OS X標準のネイティブUIフレームワークである「Cocoa」からインスパイアされた名称だという。AppleInsiderによれば、これが初めてAppleによって公開されたのは昨年2009年6月に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたWOWODC (World of WebObjects Developer Conference)であり、今年のWOWODC 2010ならびにWWDC 2010でさらに詳細が発表される見込みのようだ。端的にいえばWebブラウザ版Cocoaと呼べるもので、Cocoa(含むCoreData)にAppleのアプリケーションサーバであるWebObjectsを組み合わせ、さらにJavaScriptで記述されたものだという。

開発者のJonathan Rentzsch氏が同デモをWOWODCで公開した後、Twitter上で「Blown away by gianduia. Cappuccino, SproutCore and JavascriptMVC have serious competition. Serious.」(GianduiaによってCappuccinoSproutCoreJavascriptMVCは深刻な競合に晒されることになるだろう。本当だ)というコメントを投稿したという。

Cappuccino、SproutCore、JavascriptMVCはそれぞれが同種のWebアプリケーション向けフレームワークであり、AppleInsiderによればCappuccinoはMobileMeで、SproutCoreはKeynoteの機能実現のためにすでにAppleで広く利用されているもののようだ。

また、Gianduia自体もすでにApple内部では利用されており、例えばApple Retail Storeでは、バックエンドのWebObjectsサービスに対応するフロントエンドのアプリケーションがGianduiaベースだという。Genius Barの予約システム(Concierge)を利用したことのある人はいると思うが、それもGianduiaで記述されたもののようだ。このほかにもストア用のシステムで活用が進んでおり、過去数カ月にわたって各種のプログラムがGiaunduiaで動作しているという。