海外では街中に携帯電話単体を販売している「携帯電話ショップ」を普通に見かけることができる。香港にもそのような店は多数あるが、他国から輸入したSIMロック版iPhoneをロック解除したものが売られていることがある。それを買った場合、ファームウェアをバージョンアップすると再度SIMロックがかかってしまうものもある。そのためiPhoneを買うのであればきちんとした正規販売店で購入するべきだろう。
iPhoneの正規販売店は香港内にある大手家電店だ。今回は在庫を多数おいている家電チェーン店「Broadway(百老匯)」のMongKok(旺角)、「西洋菜南街13号店」(G/F&B2, 13 Sai Yeung Choi Street South, Mongkok)を訪ねてみた。ここは観光地で有名な「女人街」の一本西側の通りであるため、観光で買い物に訪れる際に立ち寄ることもできる。ちなみにBroadwayはここの通りである「西洋菜南街」に複数店舗があるが、他の店舗は在庫がない場合があるのでこの店舗を訪れるのがよい。隣はマクドナルド、店舗は1Fと地下だ。iPhoneは地下の携帯電話売り場で販売されている。
BroadwayでのiPhoneは単体販売されているため、日本のように通信事業者との契約といった行為は一切必要ない。購入時は本体の色(黒か白)と容量(16GBか32GB)を店員に伝えればよい。価格は16GB版が5,388香港ドル、32GB版が6,288香港ドルだ。購入は家電製品を買うのと同様にその場で代金を支払うだけ。クレジットカードも使える。なおApple香港の販売ポリシーにより、iPhoneは未開封のまま販売される。その場で動作確認などはできないことを書いた注意書きを出されるので、それにサインしよう。
さて購入したiPhoneは、最初に自分のパソコンと接続してアクティベーションをする必要がある。そのため渡航時はノートパソコンを持っていこう。またアクティベーション時にSIMカードを入れる必要があるが、これはどの事業者のものでも構わない。ソフトバンク版iPhoneからUSIMカードを抜いてそれを入れてもよいし、香港で現地のプリペイドSIMカードを利用したいのならば、あらかじめ香港空港(出発ロビー)や同じ西洋菜南街にあるHuchison(ブランド名は「3」)の店舗でプリペイドSIMカードを購入しておき、それを挿せばよい。すでにiPhoneを使っている場合は同じデータがシンクロされるため、同じ環境で利用することができる。なお、プリペイドSIMカードは、使うものによってデータ通信設定を手動で変更する必要がある場合がある。
HSDPAタイプのSIMカードはAPNを「ipc.three.com.hk」にする。他国のSIMカードを使う場合も、このAPNを手動変更すればよい。APNはプリペイドSIMカード購入時に付属のマニュアルや販売店の店員に確認するとよい |
今回紹介したように、SIMロックフリー版iPhoneを買ってしまえば、渡航先でプリペイドSIMカードを購入し、データ通信設定を行うだけで、現地の割安なデータ通信料金を利用できる。iPhoneをもう一台買うのは、割高に感じると思うが、安い現地の定額プリペイドSIMカードが利用できることを考えると結果としては割安になるだろう。香港で1週間iPhoneを使い倒したとしても、データ利用金はわずか2,500円。本体が7万円前後であっても日本のiPhoneをローミング利用するより割安だ。