マイクロソフトは、パソコンショップを展開するアプライド、クレバリー、サードウェーブ、ユニットコムの4社と協力し、4月20日よりネットブックユーザーを対象にWindows 7への移行サービスを開始すると発表した。

Windows 7への移行サービスを提供する4社

クレバリーでは、Windows 7 Home Premiumへのアップグレードとメモリ2GBをセットにして27,800円(OSインストール手数料、メモリ増設手数料、システムチェック手数料を含む)で提供するほか、ドスパラを展開するサードウェーブでは、ノートPCのメモリ交換+OSインストール作業を18,000円で提供する(メモリ代金とOS代金は別途必要、5月31日まではキャンペーン価格9,000円で提供)。また、パソコン工房、TWOTOP、Faithを展開するユニットコムでは、Windows 7のインストールとドライバ設定を手数料8,000円(OS代は別途必要)で実施する。

各社が提供する移行サービスは以下の表のとおり。

社名 サービス名 サービス内容
アプライド NetBook Windows 7 Upgrade サービス HDD換装、Windows 7へのアップグレードをパッケージ化して提供。5月上旬開始予定
クレバリー ネットブックアップグレードサービス 都内4店とWeb Shopを通じ、PCトラブル診断/修理、HDDデータ復旧、ハードウェア強化やソフトウェアインストールなどのサービスを提供
サードウェーブ ネットブック Windows 7 アップグレードキャンペーン 交換用メモリ、HDD(SSD)、DSP版Windows 7をドスパラで購入したユーザーに、メモリ、HDD(SSD)の取り付け、OSインストール作業をキャンペーン価格にて提供
ユニットコム Windows 7 アップグレードサポートサービス インストールサービス(ドライバ設定)、メモリ増設、SSD換装サービスなどを提供

今回の移行サービスでは、メモリやHDDを購入することでWindows 7のDSP版が利用でき、パッケージのアップグレード版を利用する場合に比べ、安い価格でWindows 7を入手できる。マイクロソフトでは、今回のサービスに関し、同社のWeb上で告知を行うほか、サービス提供する各社に対してWindows 7に関する技術情報を提供する。

今回、Windows 7への移行サービスを提供する背景には、一昨年から昨年にかけてヒットしたネットブックのほとんどがWindows XPを搭載している点にある。IDC Japanの2010年2月の調査によれば、市場には277万台のネットブックが存在し、GfKの2010年4月のレポートによれば、そのうち89%がWindows XPを搭載しているという。これらのユーザーには、パフォーマンスに不満を持つユーザーが多く、マイクロソフトでは、この不満をWindows 7にアップグレードすることで解消することを狙っている。

ネットブックの現状

また、イー・モバイルがデータ通信の契約をセットで行うことで、低価格でPCを提供する、いわゆる「100円PC」の販売が開始されたのが2008年4月で、今後多くのPCで契約期間の2年が満了になることから、Windows 7にアップグレードすることで、より長くPCを使ってもらうという目的もあるようだ。

そのほか、マイクロソフト コマーシャルWindows本部 本部長 中川哲氏が「ネットブックにはCD-ROMがなかったり、機種によってはメモリを増設するために本体を分解しないといけないものもある」と語るように、ネットブック特有の問題を解消する狙いもある。

マイクロソフト コマーシャルWindows本部 本部長 中川哲氏と各社の代表。左から中川氏、クレバリー 代表取締役 後藤隆氏、サードウェーブ 取締役 永井正樹氏、ユニットコム 取締役 事業統括本部長 前谷正弘氏