米GoogleがHTML5向けのビデオコーデックとして、「VP8」をオープンソース化する計画だという。NewTeeVeeが複数の情報筋からの話として12日(米国時間)に報じている

HTML5利用におけるメリットの1つは、Flashなどのプラグインなしでの動画再生だが、その最も重要なビデオコーデックの標準策定で意見が分裂しており、Webブラウザによってサポートされるコーデックがまちまちという現象が発生している。例えばSafariでは、Appleが推進するH.264を標準コーデックとして採用しているが、Firefoxは特許問題などからオープンソースのOgg Theoraを採用するといった状況だ。一方でGoogle Chromeのように両コーデックをサポートするブラウザもある。

Ogg Theoraはもともと、Googleが2009年8月に買収したOn2 Technologiesの開発した「VP3」がベースとなっている。On2がVP3をオープンソース化したことで、Theoraが開発されたからだ。オープンソースがTheora最大のメリットともいえるが、一方でH.264より能力面で劣ることは否定できず、これがHTML5におけるTheora導入の障害になっている。H.264のロイヤリティフリーでのライセンスが2016年まで延長されたという話題はあるものの、オープンソースを標榜するMozillaにとって必ずしも受け入れ材料にはならない。

このように、標準コーデック採用では長らく膠着状態が続いていたが、GoogleがOn2を買収したことで最新コーデックの「VP8」がオープンソースとして公開されることが期待されており、今回はそれが現実に近付きつつある可能性が出てきたという話だ。

なおNewTeeVeeによれば、GoogleはこのVP8オープンソース化を5月中旬に開催されるGoogle I/Oで正式発表する計画だという。