過去に「宅建」と「秘書検定」の学習ソフトをレビューしてきた筆者だが、今回は2010年2月25日に桐原書店から発売されたニンテンドーDS専用ソフト『TOEIC TESTスーパーコーチ@DS』(価格3,990円)を約1カ月間にわたり体験する機会が与えられたので、実際に学習した際の使用感をお伝えしたいと思う。

『TOEIC TESTスーパーコーチ@DS』

「TOEIC」とはなんぞや?

まずは、軽く「TOEICテスト」そのものについておさらいをしておこう。「TOEIC」とは、"Test of English for International Communication"の略称で、英語でのコミュニケーション能力を評価するテストである。実施・運営を担っている国際ビジネスコミュニケーション協会TOEIC運営委員会によると、企業・官公庁・学校等では2002年度に約2,200団体が採用。就職、転職の採用基準、大学の英語単位認定基準、昇進・昇格の要件、海外出張や駐在の基準、推薦入学基準、授業の効果測定などに広く採用されており、近頃の就職資格ではTOEICテストで英語スキルを問うてくる企業があるのは、ご存知の方も多いと思う。

そして、そのテスト対策のために開発されたのが、今回のレビュー対象ソフトとなった『TOEIC TESTスーパーコーチ@DS』である。このソフトの一番の"ウリ"は、TOEICテストのカリスマトレーナーと呼ばれる早川幸治氏(ニックネームはJay)と桐原書店がタッグを組んで作り上げた教材ソフト、ということだろう。特に、早川幸治氏がパーソナルトレーナーとなってくれるという点は、受験者にとっては心強いと思われる。

この『TOEIC TESTスーパーコーチ@DS』については、当サイトにて紹介しているので、そちらも参考にしていただきたい。

それでは学習開始……と、その前に皆さんに告白しておかなければならないことがある。実は筆者、英語が苦手である。学生のときに"実用英語技能検定"の2級を取得しているものの、それは遥か昔のこと。社会に出てからというもの、できるだけ英語を使わないで済むような人生を送ってきたのである。そうは言っても、このグローバル化の進んだ時代、"苦手"というだけで、英語を避けては世の中渡ってはいけないシチュエーションも多々あるのは重々承知だ。ある日、それを思い知らされた出来事があった。

普段、筆者は国内でも有数の観光スポットとなっている秋葉原で取材をすることが多い。当然、街には外国の旅行者がたくさん歩いている。ある日、とあるショップでの取材中、エスカレーターの近くで座り込んでいる女性がいた。日本人でないことが一目でわかったので、筆者は恐る恐る英語で彼女に話しかけたのだ。

「May I help you?」
すると、彼女からの返事は……
「Sorry,I can't speak Japanese.」

……ガーン、通じていない。中学校で習った英語(このときは発音)が通じない……。とりあえず彼女は体調が悪そうだったので、その場はショップのスタッフに対応していただき事無きを得たのだが、自分にとって、それはそれはショックな出来事だった。同時に英語の必要性をシミジミと感じたものだった。

Jayとドラコが英語学習をバックアップしてくれる

そんな過去の苦い思い出もあり、今回、英語のスキル向上に役立つ『TOEIC TESTスーパーコーチ@DS』のレビューをさせていただくことになった。まず、電源を入れるとメインメニュー画面が表示され、そこには「スーパーコーチモード」「マニュアルモード」「お試しモード」という3つのモードと、「オプション」という項目が映し出される。

私は最初に「スーパーコーチモード」を選択。いよいよカリスマトレーナーのJayとの二人三脚が始まった。はじめに名前、受験予定日、目標スコア、毎日の目標コマ数などを登録(後から管理画面で変更可能)。ちなみに筆者は、5月30日(日)の公開テストを受験予定日に設定し、目標スコアは自分でも無謀かと悩んだのだが「600点」を選択。まあ、初めての受験ではあるし、TOEICテストがどんなものかを知るため、ということに重きを置くことにした。

メインメニュー画面。上段に表示されている人物が、カリスマトレーナーのJay

「スーパーコーチモード」開始画面。ここで、名前、受験予定日などを入力しておく

ここで、Jayのパートナーとして、私の学習をサポートしてくれる仲間・ドラコを紹介したい。小さな恐竜(?)のドラコは、どんどん学習を進めて行けば行くほど魔法を覚えたりするなどレベルアップしていく。また、「マニュアルモード」で学習した際は、問題の正解率によって100%を頂点とする山に登って、進捗度を教えてくれる。このドラコが何気にかわいく、学習を進めていく上でのちょっとした楽しみを与えてくれるのだ。

ドラコが火を吹いてJayの顔が黒焦げに

このように正解率によってドラコが山を登ってくれ、進捗度がわかる

さあ、学習開始!! まずは「スーパーコーチモードってどんな感じなの?」ということで、その内容をさらっと紹介しておこう。この「スーパーコーチモード」。とにかく、トレーニングの数が半端ではない。Part1~7まで、さらにそのPartごとにトレーニングのレベルが4段階用意されている。内容は、"正誤問題"・"ディクテーション(書き取り)"・"並び替え"・"誤文訂正"・"穴埋め問題"など多岐にわたっている。しかも、その進行についてはJayが学習状況によってコマを選んでくれるのだ。そして、あらかじめ設定した1日の目標コマ数に達するまで学習は続く。

正誤式問題

ディクテーション(書き取り)問題

間違い探し問題

短文穴埋め問題