京セラは11日、独自の結晶技術により開発した再結晶宝石のルビーが、カシオ計算機の耐衝撃腕時計「G-SHOCK」に採用されたと発表した。G-SHOCKに宝石が採用されるのは世界で初めて。

再結晶ルビーが採用されたのは、G-SHOCKの最上級シリーズ「MR-G(ミスターG)」特別仕様モデルの文字盤外周部にある「都市コードリング」部分。再結晶ルビーの原石を直径約3cmのリング状に丸く切り抜き加工しており、ルビー4.85カラット(約0.97g)が使用されている。

再結晶ルビーを使った都市コードリング部分(赤い文字盤外周部)

MR-Gのコンセプトである「強さと美しさ」の表現に最適であったこと、このパーツの大きさの加工に耐えうる品質の高さを持つ宝石は天然には少なく、再結晶宝石だからこそ可能だったことが採用の決め手となったという。また再結晶ルビーが、今回のMR-Gのテーマカラーである日本の伝統色「深緋(こきひ)」のイメージに合致している点も採用の理由となっている。

再結晶宝石「ルビー」の裸石

再結晶宝石は、1975年に京セラ独自の宝石合成技術や結晶技術によって生まれた天然石と同じ組成を持つ人工の宝石。鮮やかな色や、丈夫で加工がしやすく大きさやカットのバリエーションを豊富に作れるという特長があり、エメラルド、ルビーなど現在14石種を投入している。

なお、同製品は3月18日~25日の8日間、スイス・バーゼルにて開催される時計・宝飾品の国際見本市「BASEL WORLD 2010」のカシオブースにて初出展予定。また、2010年夏には専門店と百貨店で発売されるという。