SMB向けには新ブランドThinkPad Edge

PCとしては、新ブランドであるThinkPad Edgeを導入している。これはSMB(Small to Midium sized Business)向けだが、Best Buyなどでも販売を行う予定だという。個人事業主などコンシューマとビジネスの間をカバーすることを狙う製品と考えられる。デザインも直線的な部分を持ち、ThinkPadのiの点がLEDになっていて赤く光るなど、デザイン性にも考慮されているようだ。スタート時は、AMDプロセッサのみとのことだが、IntelのCore 2 Douの超低電圧版もあとから出荷する予定だという。

ThinkPad Edge。ThinkPadではあるが、セパレート型のキーボードを採用。パームレスト部分のThinkPadロゴのiにはLEDが組み込まれている

Edgeという名称が表すように、端の部分は直線的で、金属の縁がついている。天板は完全に平面となっている

また、このほかには、IdeaPad S10-3tとしてマルチタッチ可能なコンバーチブル型のタブレットPCを投入、また、タブレット機能のないS10-3も用意した。IdeaPad系列は、米国では、一般向けとして量販店などで販売が行われている。

PCメーカーでもあるLenovoがコンシューマ分野に参入するにあたって、ARM系プロセッサ(SnapDragon)とLinuxを持ってきたのは興味深い。もちろん、Lenovoには、コンシューマ向けのノートPCもあるし、すでにIdeaPadでネットブック市場にも参入している。それにくわえて、スマートブック系列を立ち上げるつもりだからだ。

おそらく、Lenovoの結論は、いわゆるPCだけならコンシューマ市場で今以上に大きくビジネスすることは困難と考えたのであろう。すでに、IdeaPadで一定のプレゼンスを持っているにしても、競争が激しすぎるというわけだ。これは、米国に限らず、世界的にどこも同じといえる。

そこで、目をつけたのが、SmartBookというカテゴリなのであろう。Skylightに関しては、AT&Tと提携し、AT&Tが契約込みで販売する予定だという。また、LePhoneについても、携帯電話であるため、通信事業者も契約込みで販売することになるだろう。

ある意味、どれにも「保険」がかかっている。SkylightとLePhoneに関しては、通信キャリアが扱うことになれば、それなりの低価格で販売できるため、ある程度の数は見込めるだろう。また、IdeaPad U1は、最悪でもWindows 7マシンとして利用できる。もちろん、ぜんぜんリスクがないとはいわないが、SmartBookをハードそのままでNetBookと同様に売るという方向だけは避けたようだ。

また、すべてSmapDragonを使っていたり、Qualcomm(SnapDragonの製造メーカー)が提唱するSmartBookという名前を使っていることから、QualCommとLenovoにはある程度の協力関係が存在すると思われる。Qualcommの提案を最初に実現したのがLenovoということなのであろう。昨年6月の時点で、SmartBookという提案がQualcomm社から有ったものの、その時点では、具体的な採用メーカーは発表されなかった。しかし、Lenovo社がSmartBookを投入したことで、SmartBookも現実的な路線になってきたようだ。この記事では、SmartBookと何気なく使ってきたが、実際に、これに相当するハードウェアとしては、Skylightなどが初めての製品となる。もちろん、いままでARM+Linuxのマシンがなかったわけではないが、PDAなど、PCに比較するとニッチなポジションにあった。しかし、SmartBookは、ある意味、現在のNetBookに完全対立するカテゴリである。これに追従するメーカーがあるようなら、本格的にSmartBookというカテゴリが市場として立ち上がるかもしれない。