BCNは14日、全国の大手家電販売店から収集した実売データを集計する「BCNランキング」にもとづいた、デジタル家電の年末商戦速報と2010年の展望を発表。BCNアナリストである道越一郎氏が、薄型テレビの動向について語った。

エコポイント効果が続くテレビ

2009年の年末商戦は、エコポイント効果で依然としてテレビ市場は好調。薄型テレビは2009年9月から4ヶ月連続で台数6割増を記録したという。

薄型テレビ全体の販売台数・金額前年同月比と平均単価

薄型テレビ全体の販売金額・台数指数

メーカー別シェアでは、シャープが首位を維持。ソニー、パナソニック、東芝の2位グループが三つ巴で追い上げている。平均価格は各社とも近づいており、勝負の分かれ目は機能面での差別化。昨今、注目を集めている「録れるテレビ」の構成比が2割を突破しており、HDD増設端子付きモデルの拡大も見込まれる。さらに、「LEDバックライトタイプのテレビが伸びると予想される」と道越氏。LEDタイプは高級モデルが多いが、平均単価は徐々に蛍光管タイプに接近している状況だ。

LEDバックライトのタイプ別台数比率

薄型テレビ全体のメーカー別シェア

このほか画面サイズは、「売れ筋の30~40型未満のモデルが、2008年12月と比較して2009年12月では6.5%減少した一方で、40型以上のサイズが全体の3割弱を占めるまでになった」(台数比率)と指摘し、「売れ筋モデルがじわじわと40型以上に移行している」とみていた。

薄型テレビ全体の画面サイズ別台数比率(左)と画面サイズ別台数伸び率

2010年全体の見通しとしては「冬季オリンピック、サッカーワールドカップという大きなスポーツイベントが販売を押し上げるものの、もっとも効果が大きいのはやはりエコポイント」と断言。「台数の前年同月比5~7割程度の伸び率は、制度が終了するまで維持できるだろう」としていた。

薄型テレビ全体の画面サイズ別平均単価

録画機能搭載率