今年末までにProject Natalの成果を商品化

後半、バルマー氏に変わって登場したのは、Xbox 360などを担当するエンターテイメント&デバイス事業部社長のロビー・バック氏だ。同氏は、今年登場するXbox 360のビッグ・タイトルを紹介したあと、新サービスであるXbox LiveのGAME ROOMを紹介した。これは、古いアーケードゲームをオンラインで販売するサービスだ。これは、巨大なゲームセンターのようになっていて、ユーザーはアバターを使ってここに入場し、他人とのスコア対決も可能なようだ。また、PCからもGame for Windows Live経由で利用可能だという。

Xbox 360の話は、バルマー氏からエンターテイメント&デバイス事業部社長のロビー・バック氏に交代して行われた

最後に、バック氏は、Project Natalを紹介した。すでにゲーム関係のイベントなどで紹介されたProject Natalは、「Natural User Interface」と呼ばれ、ユーザーの動きを検出してこれでソフトウェアを操作する技術だ。ユーザーは、コントローラを持ったり、ボタンを押す必要がないため、「Natural」なのだという。ただ、Microsoft的には、Natural User Interfaceは、Project Natalだけでなく、Windows 7のマルチタッチなども含まれているようだ。

これは、奥行き方向のセンサーを持ったカメラを使って行われ、スポーツ系のゲームなどに応用されるもののようだ。感じとしては、Wiiの体感ゲームのようなものだが、台に載ったり、コントローラを手に持つ必要はない。

このProject Natalは、これまで研究プロジェクトとして公開されていたが、バック氏は、2010年のホリデーシーズン(クリスマス商戦)期には、これを利用した製品が登場することを発表した。おそらくは、専用センサーや対応ソフトウェアが登場することになると思われる。

これまでも、カメラを使って人の動きを検出するシステムは、ゲーム機用などに登場していたが、画像認識では、たとえば、背景と人間の区別が困難な場合があったり、手を前後に動かすような、カメラ側からみると、わずかな動きでしかない動作を認識しずらい場合があった。

Project Natalでは、さらに奥行き方向の凹凸を検出するディプスセンサーを併用する。これにより、たとえば、手が前に出ているのかそうでないのかを検出することができ、また、背景部分と手前の人の部分ははっきりと区別できるようになる。このため、単純な画像認識に比べると、認識率が向上し、たとえば、触ったつもりなのに無視されるといったことがなくなり、ゲームとしてちゃんと遊ぶことができるようになるわけだ。

今回の基調講演は、家電向けのイベントだったせいか、既存のものを紹介するといった部分が多く、ウィンドウズの新バージョンの話も、Windowsの今後といった話もなかった。Widnows LiveについてもGame Roomが利用可能という程度で、特に大きな強化策も用意されていないようだ。そういう意味からすると、今年のPC業界は、話題の少ない年になるかもしれない。