立命館大学~複合現実でお絵描きしよう

立命館大学の研究グループが開発した「Daichi's artworking」は、いわゆる複合現実(MR:Mixed Reality)タイプのアート体験を提供するシステムだ。なお、MRと拡張現実(AR:Augmented Reality)との違いについては前編にて解説しているので、そちらを参照して欲しい。

被験者がキヤノン製のHMDを装着すると、そこから見える視界は、被験者の一人称視点そのもので、自分の身体や腕、手も見える状態。手渡される絵筆デバイスを手に持つとバーチャルなパレットが机の上に出現する。パレットには様々なバーチャル絵の具が載っていて、手に持った絵筆デバイスをこのパレットへとやり、バーチャル絵の具を筆先に取れば、これで色を絵筆デバイスに染み込ませたこととなり、机の上にその色で絵を描くことができる。

絵の具は色同士を混ぜることもでき、さらにはバーチャルな水に溶くことで色味を薄めることも可能。

複合現実タイプのアート体験「Daichi's artworking」

絵筆デバイスの外観

絵筆デバイスの内部図解

絵筆デバイスは磁気センサによる位置姿勢検出がなされており、被験者の手の動きや筆の向きに適合した形で描画がなされる。

筆先の内部は柔らかい樹脂材質でできており、机(キャンバス)にコンタクトすると、筆先が本物の絵筆のように曲がる。この筆先の内部には芯棒を仕込んでおり、これが筆の柄の部分に備え付けられた小型アナログスティックに接続されている。このため、筆先の動きも正確にシステム側が取得できるようになっているのだ。描いているときの筆先の反り返しなどに適合したリアルな線も描けるため、ただ色を塗りつぶすだけでなく、筆特有の軌跡までもが描けるようになっている。

ブースでは机などの平面への描画だけではなく、皿などの立体物に対してのお絵描きも楽しめるようになっていた。バーチャルに絵皿がデザインできるのはなかなかに楽しい体験。これは、この小道具の皿にも磁気センサーを仕込ませ、なおかつその立体形状までを事前にホストPCに登録しているからこそなせる技だ。

この他、このシステムでは絵筆によるバーチャルお絵描きだけでなく、バーチャルなハンマー、ナイフ、カニバサミなどを用いて、バーチャル工作も楽しめるとのこと。

ゴミも出さないし、素材を無駄にせずに自由に作業のやり直しもできて、後片付けも不要。バーチャルなお絵描きや工作は、もしかするとエコ重視な21世紀の幼児向きかも?

動画
実際にこのシステムでお絵描きを楽しんでいる様子

ブースでデモを楽しむ来場者

バーチャルなハンマー、ナイフ、カニバサミなどを用いてのバーチャル工作も可能

オフィシャルサイト

(トライゼット西川善司)